2021年版:いま印刷会社が考えたい 「事業再構築補助金」を徹底解説

2021年版:いま印刷会社が考えたい 「事業再構築補助金」を徹底解説

印刷会社の皆さまにとって、設備投資やその先のビジネス拡大をサポートする制度としてのものづくり補助金などの公的補助金は今や多くの会社に浸透し、定着化しつつあります。特に新型コロナウイルスの猛威などによる社会情勢の変化で「今まで通り」が通用しなくなった昨今では、多くの印刷会社様が活用を検討されているのではないでしょうか?

そんな公的補助金の中で、この2021年から加わった新制度があります。それが「事業再構築補助金」です。

なんと総額1兆円以上という巨額予算が組まれたこの「事業再構築補助金」は、発表以来多くの企業の関心を集めています。とはいえ今年から始まった制度のため、「事業再構築ってどういうこと?」「実際どんな使い方が出来るの?」「うちの会社は補助の対象になるの?」といった疑問の声も多くうかがいます。

本コラムでは「事業再構築補助金」の概要から具体的な申請に必要な要件や情報、今後のスケジュールなど、今から活用を検討される印刷会社様に必要な情報をギュッと凝縮して解説させていただきます!

コレを読めば、事業再構築補助金活用に向けた一歩を踏み出せる、という内容になっていますので是非最後までお付き合いください。

ノウハウの実践方法をまとめた
資料を無料ダウンロード

目次

1. 事業再構築補助金の概要

事業再構築補助金は、令和2年度第3次補正予算で1兆1,485億円の予算が組まれた中小企業等事業再構築促進事業における補助金です。非常に巨額な予算であることから、発表から高い関心を集めていました。

その目的は、「ポストコロナ・ウィズコロナの時代の経済社会の変化に対応するため、中小企業等の思い切った事業再構築を支援することで、日本経済の構造転換を促すこと」です。

コロナ禍で今までの事業のやり方が通用しなくなった事業者に対し、思い切って事業そのものや事業の方法を変えることで、より成長できる企業になって欲しい、という国からのメッセージであると言えます。これまで大きな補助金として「ものづくり補助金」がありましたが、今回の事業再構築補助金は100万円~最大1億円の補助金額になっており、ものづくり補助金とは異なり「建物費」が対象経費に加わったことが大きな特徴です。

補助金のタイトルになっている「事業再構築」とはなにか

事業再構築には5つの類型が定義されています

  • ①新分野展開:新たな製品等で新たな市場に進出する
  • ②事業転換:主な「事業」を転換する
  • ③業種転換:主な「業種」を転換する
  • ④業態転換:製造方法等を転換する
  • ⑤事業再編:事業再編を通じて新分野展開、事業転換、業種転換又は業態転換のいずれかを行う

ここでいう「業種」とは日本標準産業分類に基づく大分類の産業で、「事業」とは中分類、小分類又は細分類の産業です。例えば、印刷業であれば、大分類:製造業、中分類:印刷・同関連業、小分類:印刷業、細分類:オフセット印刷以外の印刷業(紙に対するもの)、と分類できます。

【印刷業の例】

大分類が業種 中分類以降を事業とする
大分類 中分類 小分類 細分類
E 15 151 1511 1512 1513
製造業 印刷・同関連業 印刷業 オフセット印刷業(紙に対するもの) オフセット印刷以外の印刷業(紙に対するもの) 紙以外の印刷業
152 -
製版業
153 -
製本業、印刷物加工業

なので、印刷会社における「事業転換」は小分類及び細分類を変える、「業種転換」は製造業以外の業種になるということになります。現実的には、「新分野展開」「事業転換」「業態転換」が印刷会社における事業再構築の類型候補となるでしょう。事業再編は組織再編、つまり合併や会社分割を行うことが前提ですので、より規模の大きい事業計画が必要になります。

事業再構築補助金の概要

前提条件として以下の4つを満たすことが必要になります。

  • (1)売上が減っていること【売上高減少要件】

    ①2020年4月以降の連続する6か月間のうち任意の3か月の売上合計がコロナ以前(2019年または、2020年1~3月)の同月3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること
    ②2020年10月以降の連続する6か月のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3か月の売上合計高と比較して5%以上減少していること。

    ①・②、双方の要件を満たすことが必要となります。

    また第3回公募より、売上高の代わりに「付加価値額の減少」を用いることも可能となりました。付加価値額とは、「営業利益」「人件費」「減価償却費」の合計、となります。その場合は上記①・②と同じ対象期間において、それぞれ①では15%以上減少、②では7.5%以上減少していることが要件となります。

  • (2)事業再構築に取り組むこと【事業再構築要件】

    事業再構築指針に沿った新分野展開、業態転換、事業・業種転換等を行う

  • (3)認定経営革新等支援機関と事業計画書を策定すること【認定支援機関要件】

    補助金額が3,000万円以上の場合は金融機関も参加

  • (4)補助事業終了後3~5年で付加価値額等の年率平均3%以上の増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3%以上の増加を見込む計画を策定すること【付加価値額要件】

また、上記に加え後述する「緊急事態宣言特別枠」では以下の(5)が、「最低賃金枠」では以下の(6)(7)が、「大規模賃金引上枠」では以下の(8)(9)が要件として追加されることとなります。

【緊急事態宣言特別枠】追加要件

  • (5)緊急事態宣言の影響で売上高又は付加価値額が減少していること
    【宣言による売上高等減少要件】
    2021年1月~8月のいずれかの月の売上が、前年及び前々年比で30%以上減少していること、又は付加価値額が45%以上減少していること

【最低賃金枠】追加要件

  • (6)売上高が減少していること【最賃売上高等減少要件】
    2020年4月以降のいずれかの月の売上高が対前年又は前々年の同月比で30%以上減少していること、又は付加価値額が45%以上減少していること
  • (7)最低賃金以上で働いている従業員がいること【最低賃金要件】
    2020年10月から2021年6月までの間で、3か月以上最低賃金+30円以内で雇用している従業員が全従業員の10%以上いること

【大規模賃金引上枠】追加要件

  • (8)賃金を引き上げること【賃金引上要件】
    補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度から3~5年の事業計画期間終了までの間、事業場内最低賃金を年額45円以上の水準で引き上げること
  • (9)従業員を増やすこと【従業員増員要件】
    補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度から3~5年の事業計画期間終了までの間、従業員数を年率平均1.5%以上(初年度は1.0%以上)増員させること
    ※常勤従業員が対象

まず大前提として、コロナ前と比較して売上が減少していないといけません。この要件に当てはまらないと申請は出来ません。

ただ、任意の3か月なので、コロナ以前の6か月と比較して売上が10%減少している月が3か月あれば条件を満たします。対象期間は申請締め切り日により異なります。2次公募の対象期間は2020年10月~2021年6月の9か月間うち連続した6か月を指定し、その中での任意の3か月になります。なお、この直近6か月等の範囲は申請するタイミングによる変わることが予想されます。

この4条件を満たすことをまずは念頭においてください。特に(2)事業再構築に取り組むこと、に関してはさらに細かい要件がありますので後ほど触れていきます。

次に補助額、補助率を見ていきます。

【対象者・補助金額・補助率】

応募枠 対象 補助金額 補助率
【変更】通常枠 中小企業者
中堅企業等ともに
【従業員数20人以下】100万円〜4,000万円
【従業員数21〜50人】100万円〜6,000万円
【従業員数51人以上】100万円〜8,000万円
中小企業者等 2/3(6,000万円を超える部分は1/2)
中堅企業等 1/2(4,000万円を超える部分は1/3)
【新設】大規模賃金引上枠
全公募回合計で150社限定
中小企業者
中堅企業等ともに
【従業員数101人以上】8,000万円〜1億円 中小企業者等 2/3(6,000万円を超える部分は1/2)
中堅企業等 1/2(4,000万円を超える部分は1/3)
【新設】最低賃金枠 中小企業者
中堅企業等ともに
【従業員数5人以下】100万円〜500万円
【従業員数6〜20人】100万円〜1,000万円
【従業員数21人以上】100万円〜1,500万円
中小企業者等 3/4
中堅企業等 2/3
緊急事態宣言特別枠 中小企業者
中堅企業等ともに
【従業員数5人以下】100万円〜500万円
【従業員数6〜20人】100万円〜1,000万円
【従業員数21人以上】100万円〜1,500万円
中小企業者等 3/4
中堅企業等 2/3
卒業枠
全公募回合計で400社限定
中小企業者等 6,000万円〜1億円 中小企業者等 2/3
グローバルV字回復枠
全公募回合計で100社限定
中堅企業等 8,000万円〜1億円 中堅企業等 1/2
  • 卒業枠は第1回公募で45社採択
  • グローバルV字回復枠は第1回公募で1社採択
  • 中堅企業とは以下に当てはまる法人を指す
  • 中小企業基本法に定める中小企業者に該当しないこと。
  • 資本金の額又は出資の総額が10億円の未満の法人であること。
  • 資本金の額又は出資の総額が定められていない場合は、従業員数(常勤)が2,000人以下であること。

ものづくり補助金(上限1,000万円)に比べ、補助金額の上限が非常に大きくなっているのが特徴です。また小規模事業者に対しては、補助率が高い緊急事態宣言特別枠が設けられています。こちらは、追加で売上高30%減少要件を満たすこと、労働者名簿の控えが必要です。

9月に締め切りとなる第3回申請より、応募枠については大幅な変更がありました。

まず、[大規模賃金引上枠][最低賃金枠]が新たに創設されました。[大規模賃金引上枠]は賃上げと従業員増に取組む事業者を支援するため、[最低賃金枠]は最低賃金引上げの影響を受け、原資確保が困難な事業者を支援するための応募枠です。

また、[通常枠]も変更がありました。以前は、「中小企業者等」と「中堅企業等」で補助金額と補助率が規定されていましたが、今回から補助金額が「従業員数」により分けられている点が大きな変更です。補助率と対象は変わりませんが、「中小企業者等」の補助率に、(6,000万円を超える部分は1/2)という条件が追加されています。

[卒業枠][グローバルV字回復枠][緊急事態宣言特別枠]は、特に変更ございません。

次に事業再構築の類型ごとの定義と要件を見ていきます。

【事業再構築類型の定義及び要件】

まず、先ほども簡単に書きましたが、事業再構築の類型ごとの定義は以下のようになっています。申請予定の事業再構築内容がこの定義に当てはまっていることが必要になります。

類型 定義
新分野展開 中小企業等が主たる業種又は主たる事業を変更することなく、新たな製品等を製造することにより、新たな市場に進出すること
事業転換 中小企業等が新たな製品等を製造等することにより、主たる業種を変更することなく、主たる事業を変更すること
業種転換 中小企業等が新たな製品を製造することにより、主たる事業を変更すること
業態転換 製品等の製造方法等を相当程度変更すること
事業再編 会社法上の組織再編行為等を行い、新たな事業形態のもとに、新分野展開、事業転換、業種転換又は業態変換のいずれかを行うこと

次に類型ごとに必要となる要件があります。この要件を全て満たす必要があります。

事業再構築の類型 必要となる要件
新分野展開 ①製品等の新規性要件、②市場の新規性要件、③売上高10%要件
事業転換 ①製品等の新規性要件、②市場の新規性要件、③売上高構成比要件
業種転換 ①製品等の新規性要件、②市場の新規性要件、③売上高構成比要件
業態転換 製造方法の変更の場合 ①製造方法等の新規性要件、②製品等の新規性要件、③売上高10%要件
提供方法の変更の場合 ①製造方法等の新規性要件、②商品等の新規性要件又は設備撤去等要件、③売上高10%要件
事業再編 ①組織再編要件、②その他の事業再構築要件

さらに要件ごとの具体的な内容を、事業計画書で示す必要があります。

要件名 申請で示す内容
製品等(製品・商品等)の新規性要件 ①過去に製造等した実績がないこと、②製造等に用いる主要な設備を変更すること、③定量的に性能又は効能が異なること(測定できる場合のみ)
市場の新規性要件 既存製品等と新製品等の代替性が低いこと
売上高10%要件 新たな製品等の(又は製造方法等の)売上高が総売上高の10%以上になること
売上高構成比要件 新たな製品等の属する事業(又は業種)が売上構成比の最も高い事業(又は業種)になること
製造方法等の新規性要件 ①過去に同じ方法で製造等していた実績がないこと、②新たな製造方法等を用いる主要な設備を変更すること、③定量的に性能又は効能が異なること(測定できる場合のみ)
設備撤去等要件 既存の設備の撤去や既存の店舗の縮小等を伴うもの
組織再編要件 「合併」「会社分割」「株式交換」「株式移転」「事業譲渡」等を行うこと
その他の事業再構築要件 「新分野展開」「事業転換」「業種転換」又は「業態転換」のいずれかを行う

以上が事業再構築補助金の概要になります。

事業再構築補助金の目的・ポイント

では、これからは申請にあたって必要な書類等や申請方法を見ていきましょう

▶2021年最新版「事業再構築補助金チェックシート&虎の巻」の無料ダウンロードはこちら!

2. 申請にあたって必要なもの

事業再構築補助金の申請にあたって基本的に必要な書類は以下の通りです。

<申請に必要な書類>

  • 事業計画書
  • 認定経営革新等支援機関・金融機関による確認書
    (補助額3千万円以上は金融機関による確認書も必要)
  • コロナ以前に比べて売上高が減少したことを示す書類
  • 決算書
  • ミラサポplus「電子申請サポート」の事業財務情報
  • 従業員数を示す書類(卒業枠、グローバルV字回復枠は不要)
  • 令和3年の国による緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等による影響を受けたことにより、2021年1月~3月のいずれかの月の売上高が対前年(又は対前々年)同月比で30%以上減少していることを証明する書類(緊急事態宣言特別枠では必須)【加点項目】
  • 経済産業省が行うEBPMの取り組みに対する協力【加点項目】
  • 賃金引上げ計画の表明書(大規模賃金引上枠のみ)
  • 事業内最低賃金を示す書類(最低賃金枠のみ)

それでは1つ1つ見ていきましょう。

① 事業計画書

申請する事業の内容を説明する事業計画書は、事業再構築補助金のHPにある「その他参考資料①電子申請入力項目(Word)」よりダウンロードできます。その中の「4.事業概要(5)事業計画書」が該当部分になります(注:その他の部分は電子申請時に入力する内容と同じ記載項目になっております)。申請書は最大15ページで作成します。今回の2次公募から、補助金額が1,500万円以下の場合は10ページ以内で作成することが新たに加わりました。

《記載内容》

  • 1補助事業の具体的取り組み内容
  • 2将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)
  • 3本事業で取得する主な資産
  • 4収支計画

詳細な書き方については、下記無料ダウンロード資料「事業再構築補助金・虎の巻」をぜひご覧ください!

▶2021年最新版「事業再構築補助金チェックシート&虎の巻」の無料ダウンロードはこちら!

② 認定経営革新等支援機関・金融機関による確認書

事業計画書策定にあたり、認定経営革新等支援機関の関与を確認する書類です。補補助金額が3,000万円を超える場合は金融機関による確認書も合わせて必要になります。また、2次公募から「認定経営革新等支援機関や金融機関は、事業所の所在地域にある必要はございませんので、任意の機関を選定ください」の1文が追加されました。

③ コロナ以前に比べて売上高(又は付加価値額)が減少したことを示す書類

売上高の減少を証明する書類として、以下の書類をご用意ください。
減少月は連続していなくても問題ありません。比較対象月は年度が異なっても月が合っていれば選択可能です。

  • (1)【売上減少月の書類】
    2020年10月以降の連続する6か月のうち、任意の3か月の合計売上高が確認できる、「確定申告書別表一の控え(1枚)」と「同年度の法人事業概況説明書の控え(両面)」
  • (2)【売上減少の比較対象となるコロナ以前の月の書類】
    申請に用いる任意の3か月の比較対象となるコロナ以前(2019年又は2020年1~3月)の同3か月の売上が分かる年度の、「確定申告書別表一の控え(1枚)」と「同年度の法人事業概況説明書の控え(両面)」
  • (3)受信通知(1枚)(e-Taxで申告している場合のみ)
  • (4)付加価値額が減少したことを示す書類
    付加価値額の減少により要件を満たす場合には、月別の営業利益、人件費、減価償却費を確認するため、年度の確定申告が済んでいるかどうかにかかわらず、これらの情報がわかる資料(試算表等の確定申告の基礎となる書類)の添付が必要となります。
    その際、申請に用いる任意の3か月の付加価値額の算出の根拠となる箇所に下線を引いてください。
  • 確定申告書別表一の控え又は確定申告書第一表には、収受日付印の押印、または電子申告の日時・受付番号が記載されていることをご確認ください。
  • 比較対象となるコロナ以前の同3か月が複数年度にまたがる場合は、それぞれの年度の確定申告書類の提出が必要です。

④ 決算書

直近の決算書を3期分(活動レポート用含む)ご用意ください。

  • 直近3年間の貸借対照表、損益計算書(特定非営利活動法人は活動計算書)、製造原価報告書、販売管理費明細、個別注記表

⑤ ミラサポplus「電子申請サポート」の事業財務情報

「3期分の決算書」と「期首・期末の従業員数が分かる書類」をご用意ください。
決算書の数字と従業員数を入力して、画面をPDF出力します。
なお、「ミラサポplus」にはGbizIDでのログインが必要になります。

  • 「ミラサポplus」とは中小企業・小規模事業者向けの補助金や給付金、各種支援制度を紹介する、国のサイトです。

https://mirasapo-plus.go.jp/

⑥ 従業員数を示す書類(卒業枠、グローバルV字回復枠は不要)

労働基準法に基づく労働者名簿の写しをご用意ください。

  • 最低賃金特別枠に申請する場合には、申請時点のものに加え、最低賃金要件の対象となる3か月分の労働者名簿についても提出することが必要です。ただし、変更がない場合には、申請時点のもののみでかまいません。

⑦ 令和3年の国による緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等による影響を受けたことにより、2021年1月~8月のいずれかの月の売上高が対前年(又は対前々年)同月比で30%以上減少していることを証明する書類(緊急事態宣言特別枠では必須)【加点項目】

緊急事態宣言時の売上が前年又は前々年の売上から30%減少している月がある場合、加点になります。その場合以下の書類をご用意ください。

(1)売上高の減少月と比較月の「確定申告書別表一の控え(1枚)」と「同年度の法人事業概況説明書の控え(両面)」
売上高の減少月が上記③に含まれる場合不要です

(2)令和3年の国による緊急事態宣言の影響を受けたことの宣誓書

  • 「その他参考書類④緊急事態宣言の影響によることの宣誓書(Excel)」よりダウンロードできます。

⑧ 経済産業省が行うEBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング)の取り組みに対する協力【加点項目】

EBPMとは国が行う政策をデータに基づき正当評価しようという取り組みです。今回の事業再構築補助金が、当初国が想定している目的に対し効果があったのかどうかデータを収集する、ということです。

どのようなデータを欲しているかは不明な点がありますが、少なくとも要件である「付加価値額要件」や「売上高10%要件」「売上高構成比要件」などの達成度が収集されるのではないかと考えています。

ただ、特に書類を作る必要もなく、電子申請時にチェックを入れるだけなので、行うことをお勧めします。

⑨ 賃金引上げ計画の表明書(大規模賃金引上枠のみ)

  • 1,賃上げ表明書(事業者名)を提出してください。
    「賃上げ表明書(Word)」よりダウンロードできます。
  • 2,賃金台帳の写し(事業者名)を提出してください。
    • 申請時点の直近月の事業場内最低賃金が明記され、これを引き上げる計画がわかる書面を提出してください。
    • 併せて、直近の事業場内最低賃金で雇用している従業員全てが分かる賃金台帳(又はそれに相当する書類)を提出してください。対象月については、賃上げ表明書と同じ月であること確認してください。

⑩ 事業内最低賃金を示す書類(最低賃金枠のみ)

  • 1,最低賃金確認書(事業者名)を提出してください。
    「最低賃金確認書(Excel)」よりダウンロードできます。
  • 2,賃金台帳の写し(事業者名)を提出してください。
    最低賃金要件の対象となる3か月分、最低賃金+ 30円以内の従業員全てがわかる 賃金台帳(又はそれに相当する書類)を提出。

▶2021年最新版「事業再構築補助金チェックシート&虎の巻」の無料ダウンロードはこちら!

3. 電子申請の方法について

電子申請にあたっては「GビスIDプライム」の取得が必要になります。
「GビズID」を取得することで、様々な行政サービスにアクセスすることができます。

GビズID

ものづくり補助金でも使用しますので、取得されている方もおられるかと思います。

今回は、「GビスIDプライム」を取得します。

アカウントに必要なもの

IDがメールアドレスなこと、ログイン時にSMSによる認証が行われることなどから、PCや携帯電話、スマートフォンが必要になります。またID申請時に書類を出力する関係で出力環境も必要になります。

GビズIDの取得方法については、GビズID | Homeを参照してください。申請から1~2週間程度でIDが発行されます。

では、申請してみましょう。まず事業再構築補助金のHPより電子申請のサイトにアクセスします。
https://jigyou-saikouchiku.jp/

事業再構築補助金

次に、「GビズIDプライム」で電子申請サイトにログインします。

事業再構築補助金

ログインの際は、ワンタイムパスワードが携帯電話にSMSで届きます。
ワンタームパスワードを入力しログインしてください。

事業再構築補助金電子申請への入力
ログイン後は、①事業計画書 で記載した内容をそのまま入力していくイメージになります。また、その際「2申請にあたって必要なもの」で明記した各種書類をPDF等に変換してアップロードすることになります。

≪申請類型の選択≫
まずは「通常枠」「卒業枠」「緊急事態宣言特別枠」等から申請する類型を選択します

≪申請入力項目≫
次に各項目を入力していきます。

  • 1申請者の概要(商号・住所・事業実施場所等)
  • 2その他の事業実施場所(他に事業実施場所がある場合)
  • 3応募申請者の概要(株主・役員・売上減少要件の根拠数字等)
  • 4事業概要(事業類型・補助事業計画名等)
  • 5補助事業等の実績(これまでの受けた補助金又は委託費の実績)
  • 6経費明細表、資金調達内訳(投資額等)
  • 7審査における加点(加点がある場合のみ)
  • 8補助事業実施体制(連携して取り組む事業者がある場合)

なお、各入力項目は「一時保存」が可能で、その場合作成状況が「作成中」となり、何度でも修正が可能です。また作成が完了した場合「登録」を行いますが、その場合は作成状況が「登録済み」になります。この場合でも修正は可能です。

1~8までの項目を全て「登録済み」にした後、添付する必要書類をアップロードすることになります。添付書類にはそれぞれ決められた「ファイル名」にしてアップロードします。
ファイル名に関しては、各書類名のあとに(事業者名)を記載するのが基本ルールになります。

電子申請入力に関しては、ある程度時間がかかります。申請入力項目の4や6は事業計画書に直接かかわってきますが、それ以外の項目は事前に入力しておくことをお勧めします。
申請最終日には申請が殺到いたします。1次申請ではサーバーが一時ダウンするほどのアクセスがありました。不測の事態に備え、入力自体を早めに終えて申請自体も申請締め切り日の前日には終わらせておくのがよいでしょう。

▶2021年最新版「事業再構築補助金チェックシート&虎の巻」の無料ダウンロードはこちら!

4. 申請におけるポイント・留意点

申請にあたっては、事業計画書の作成前に、いくつか検証しておくべきポイントがあります。ここまでにも記載した内容のまとめも含めて見てみましょう!

① 売上が減少しているか

何度か前述しましたが、コロナ前(2020年3月以前)に比べ売上が減少していることが必要です。対象期間等は申請締め切り日により変更する可能性がありますが、必ず事前に確認してください。

② 事業再構築類型のどこに合致するのか

これも事業内容を検討する際に、必ず確認してください。ものづくり補助金とは異なり、設備によって「今までとは異なる製品」「今までとは異なる商い」「今までとは異なる作り方」などが必要になります。事業再構築補助金のHPの「ダウンロード資料」にある「事業再構築の概要」に様々な事例が紹介されていますので、是非参考にしてください。
https://jigyou-saikouchiku.jp/download.php

③ 売上規模は見込めるか

【付加価値額要件】として、付加価値額が年率3%以上増加する事業計画を策定する必要があります。また、事業再構築類型ごとの要件として、補助事業の売上が総売上高の10%以上必要な【売上高10%要件】や、補助事業が売上構成比の最も高い事業になることが必要な【売上構成比要件】などがあります。想定している事業の売上をどう向上させるかの検証は重要なポイントです。

④ その他、細かなポイント

  • 申請にあたっては見積書の添付は必須ではありませんが、価格妥当性等の判断ができるため、ご用意することをお勧めいたします。
  • 建物費(改修等含む)・造作の見積もりは、取得まで時間がかかることが予想されます。できるだけ事前に準備、もしくは見積もり依頼をされることをお勧めいたします。
  • 建物費(改修等含む)・造作で申請する場合は、平面図などや改修前後の様子が分かる資料を、事業計画書に挿入することをお勧めします。
  • 緊急事態宣言特別枠は2次公募で終了になります。
  • 事業再構築補助金は、基本的に今のビジネス以外のビジネスや商品を生み出すことが必要になります。新ビジネスや新商品のために設備や建物の改修を行う事業者に補助金を出しましょう、という性格です。なので、申請書を書くにあたって、ものづくり補助金とは異なり、設備導入前後の数値的比較(生産時間や作業効率の向上など)がしにくい側面があります。これは想像ですが、新事業の実現可能性に重点が置かれているのではないかと思われます。例えば新事業の対象市場の成長性を示すことや、新製品が市場においてニーズがあることを示す資料を計画書に入れることは効果的であると思われます。

以上、申請におけるポイントになります。

▶2021年最新版「事業再構築補助金チェックシート&虎の巻」の無料ダウンロードはこちら!

5. 2021年度のスケジュール

今後のスケジュールですが、まず直近では第3回公募が9月21日締切になります。

今年度で合計5回ほど公募される見通しで、第1回締切が5月頭、第2回締切が7月頭、第3回締切は9月となっております。今後予定されている残り2回については今後順次日程が発表されます。

2021年度のスケジュール

6. 実際の採択事例を見てみよう

さて、ここまで概要から申請方法・スケジュールとみてきましたが、「事業再構築補助金の事は大体分かったけど、もう少し具体的にどんなことに使えるか知りたい」という声もあるかと思います。

今回、一次公募の採択結果から、オンデマンド印刷機の導入・活用などを中心にどのような採択事例があるのか、再構築の類型ごとにいくつかピックアップしてみました。

再構築類型 都道府県 事業者名 事業内容
業態転換 埼玉県 A社 オフセット印刷からオンデマンド印刷機へ製造方法の転換を行い、高付加価値で「受注生産を必要としない」新規顧客獲得を推進。
新分野展開 東京都 B社 これまでの受託していた印刷・郵送業務に対し、新たにQRコードによる管理を付加価値として新分野展開
熊本県 C社 既存の印刷物製造から、コロナ禍でも通販業中心に需要の高まる「デジタル可変印刷によるDM発送代行業務」を新たに展開
事業転換 東京都 D社 商業印刷物製造から、飲食店向け容器・紙器加工分野へ事業を転換
業種転換 東京都 E社 用紙卸売業者から地域の飲食・小売業向けに多品種小ロットのチラシ生産を行う印刷事業を展開
東京都 F社 従来の手掛けていた印刷物製造から動画などのデジタルコンテンツ制作業へ業種を転換し印刷業との相乗効果を発揮
大阪府 G社 印刷物製造からオンライン企業説明会を開催する業務(コンテンツ制作含む)の一括受注へサービスへ業種転換

コロナ禍において印刷物の在り方も大きく見直され、大ロットの印刷をバンバン刷るだけではなく、販促効果や在庫効率化に目を向けて多品種小ロットの印刷に需要が出てきているのは体感している印刷会社様も多いのではないかと思います。
そのような需要に目を向けて、今までにない印刷物への「付加価値」に関する事例は、新分野展開・業種転換などを中心に多く見受けられるように感じます。

また、印刷会社様の従来の強みである「コンテンツ制作」に目を向けて、新たなビジネスとしてデジタルコンテンツの制作に進んでいる企業も見受けられます。既存資産を活用しながら次の一手に打って出る、というのはイメージが湧きやすいかもしれません。

顧客のニーズや自社の強みを元に、どのような“再構築”が自社にとって最適なのか、というのをこれらの事例から検討することが出来そうです。

7. <新情報!>印刷会社の採択率についてチェックしよう

最後に過去2回の採択率について見てみましょう。まずこちらが第1回のデータとなります。

第1回申請における採択データ

まず目につくのは「書類不備が非常に多い」(全体の1割強)ということです。基本的に書類不備は即・不採択となってしまうので、注意して申請しましょう。

また、通常枠では34%、特別枠でも66%と、全体の採択率は低く抑制されています。さらにその中で印刷関連企業の採択占有率は1%程度と、同じ公的補助金のものづくり補助金と比べても1/2~1/3程度と非常に低い実績となっております。

次に第2回のデータも見てみましょう。

第2回申請における採択データ

1割強が書類不備となっているのは第1回と同様の傾向です。

一方で採択率については、通常枠で40%、特別枠で77%と全体では第1回よりも上昇しています。しかし、印刷関連企業の採択占有率は第1回よりもさらに下がり、1%を割ってしまっている状況です。

他の業種では積極的に活用が進んでいる補助金ですが、まだまだ印刷会社様の利用は少ない印象です。全体の採択率は50%以上、としっかり申請できれば大きな補助を受けられるチャンスはある補助金ですので是非今一度ご検討してみてはいかがでしょうか?

まとめ

いかがだったでしょうか。2021年度から新たに始まった「事業再構築補助金」は、新型コロナウイルスの影響や印刷需要の低下などで「何かを変えなければならない」と考えている多くの印刷会社様にとって、非常に興味深いものと言えるのではないかと思います。

既存商品や既存事業を変革し、新たな事業を創造するのは簡単なことではありませんが、だからこそいまチャレンジする必要がある事なのかもしれません。

今回Print Compassでは申請時に必要なものをまとめたチェックシートと申請時に重要な事業計画書の具体的な書き方の虎の巻をお役立ち資料として用意しました。無料でダウンロード可能となっておりますので、事業再構築補助金の活用を検討してみたいという方は是非チェックください。

▶2021年最新版「事業再構築補助金チェックシート&虎の巻」の無料ダウンロードはこちら!

また、POD機や商業印刷用インクジェットプリンター、デジタルサイネージなどを活用した具体的な事業再構築補助金についての相談をご希望の方は、無料で専門家による個別お打合せをさせていただくことが可能です。下記お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
※件名で「補助金・助成金を活用したPOD機導入等の相談」を選択の上、お問い合わせ内容欄に具体的な内容をご記入ください。

▶事業再構築補助金活用の「個別ご相談」はこちら!

■監修

株式会社GIMS 中小企業診断士 寶積 昌彦 様

株式会社GIMS
中小企業診断士
印刷業界専門コンサルタント 寶積 昌彦 様

立命館大学卒業後、ハマダ印刷機械株式会社入社。

各種印刷機、CTP等関連機器等多岐にわたる機械の営業担当を経て、営業管理・推進業務を担当。市場調査や製品開発企画とプロモーション、仕入商品・部材の調達管理や販売・製造台数の予測などの業務に従事。

その後、グラビア印刷会社の朋和産業株式会社に入社し、大手コンビニエンスチェーン、大手カフェチェーンの軟包材の営業を担当後、中小企業診断士として独立。独立後は公的機関の委嘱による中小企業支援を行う傍ら、印刷業界専門のコンサルティングを行う株式会社GIMSにも参画し印刷・製本会社の経営支援に従事している。

補助金を学ぶ 関連記事

  • 無料相談受付中

    新規営業のヒントなど、お客様のご要望に合わせた情報提供・ご提案をさせていただきます

    無料で相談する

  • お役立ち資料を配布中

    印刷業界のこれからのヒントになるような役立つ資料を無料でダウンロードできます

    お役立ち資料を見る

  • メルマガ配信中

    印刷業界のこれからに役立つコラムやセミナー・イベントの開催情報をお届けします

    メルマガに登録する