リピート受注業務の生産性アップ! ~印刷会社のカンタン働き方改革~

リピート受注業務の生産性アップ! ~印刷会社のカンタン働き方改革~

2020年、新型コロナウイルスの感染拡大という予想しなかった出来事で、紙の市場の減少が進んでいます。印刷業界では、紙の付加価値向上や、新規ビジネス・顧客の獲得、新たなパートナーとの関係作りなど、売上につながる取り組みが必要だと感じている方も多いのではないでしょうか。

しかし、これらの課題を乗り越えるには、「人材の育成・確保」というテーマに取り組むことが不可欠になります。優秀な人材を育てるためには、業務の負荷を軽減して、働きやすい環境を作らなくてはなりません。

とはいえ、特に中小企業にとっては「いきなり大きな改革や設備投資をするのは難しい」というのが現状でしょう。そういった企業でも、日々の仕事の中で、効率化のためにできることはあるのでしょうか?そんな悩みを持っている方は多いはずです。

そこで今回は、ICT化によって日々の業務を改善し、印刷業界の働き方改革を実現していくための方法を解説します。

ノウハウの実践方法をまとめた
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目次

印刷会社の働き方の現状と、その課題

まず、印刷業界が抱えている働き方の課題を整理してみましょう。
印刷業界の働き方改革が進みにくい原因としては、次のような問題があります。

最終工程を担うという、印刷ビジネスの特徴

印刷業界では「納期は絶対!」という言葉が、顧客からの信頼や売上獲得を実現するためのキーワードになっています。印刷は、クライアントの販促活動を担う最終工程。製造業全般に言える特徴ですが、特に印刷業界は納期に対する意識がシビアです。厳しい納期を守ろうとするあまり、従業員に大きな負荷がかかってしまい、なかなか働き方改革が進まないという声が聞かれます。

また、印刷は見込み生産ができない、受注産業です。クライアントの予定やスケジュールに合わせて対応する必要があるため、クライアントの都合に振り回されてしまうこともあるでしょう。前工程の遅れによるしわ寄せのため急ぎの業務に対応しなければならないケースもあり、深夜労働や休日労働を招いています。

限られた人数で印刷現場を回しているため、それぞれの仕事が職人化・属人化しているという問題もあります。特定の社員がいなければ対応できない業務が多く、私生活の都合で休暇を取得したいときだけでなく、前もって予定できる有給休暇さえも取れないという事態も起きがちです。

社内業務が非効率的になっているケースも

クライアントの事情など、社外の要因だけが印刷会社の生産性を下げているわけではありません。社内のひとつひとつの仕事に目を向けると、業務上の課題が見えてきます。

印刷の受注から制作、印刷までのステップの中で、多くの印刷会社で見られる課題は次のようなものがあります。

  • 部門間の情報伝達スピードの向上

注文を受けた営業は、制作部門に印刷データの作成を依頼します。その後、制作部門から最終工程の印刷部門へと情報が受け渡されます。
印刷納期を守るためには、この部門間の情報伝達をスピーディーに行う必要があります。

  • 部門間のコミュニケーションの活性化

情報伝達スピードの遅れや、連絡の差し戻しを防ぐことが、印刷業務の効率化には不可欠です。スムーズでミスのないやりとりをするために、部門をまたいだコミュニケーションを活性化し、各部門が上手く連携していくことも課題のひとつです。

  • 自分にしかできないと思い込む「プロ意識」の見直し

従業員が抱えているプロ意識が、良くない方向に作用して効率化を妨げているケースもあります。「他の従業員や、前後の工程には自分の仕事は任せられない」という思い込みを見直すことも必要です。

実態調査!現場で起きている具体的な問題点とは?

では、そのような問題は、社内のどのような業務で生まれているのでしょうか。

リコージャパンが行った独自調査によると、印刷業の仕事の約7割は再版・改版といったリピート受注案件であることがわかりました。平均の月間受注件数が約200件のため、毎月140件ほどがリピート受注であると言えます。

このリピート受注の工程に注目することが、印刷会社の業務全体の効率を見直すきっかけになります。では、実際の印刷現場では、どのようにしてリピート受注に対応しているのでしょうか。

6割の印刷会社が作業票の保管に紙を使用

リピートの発注を受けた際には、過去の受注情報を正確に確認した上で、前回通りの印刷物を納品しなければなりません。そのために必要なのが、前回の作業結果を記録した「作業票」です。

印刷会社で作業票がどのように保管・活用されているかを調査したところ、約6割もの印刷会社が、紙もしくは紙とシステムの両方を用いていました。

6割の印刷会社が作業票の保管に紙を使用

紙資料を探すのにも時間がかかる

作業票1件あたりの検索時間を調査したところ、平均して約6分という結果になりました。となると、作業票だけに限っても、平均して月に14時間近くの検索時間が割かれています。

また、リピート受注においては、他にも注文書や仕様書、見積書といった資料が必要です。これらの情報を探すために、さらなる時間がかかります。

こうして情報検索に多くの時間を割いていることが、印刷会社の各部門の仕事に負荷をかけています。各工程で発生している負担についてまとめた動画を作成しましたので、ご覧ください。

【印刷業】

リピート受注社内外データ活用パックのご紹介

こうした問題を解決するヒントとなる、無料のDL資料をご用意しました。こちらからお申し込みください。

こうした非効率によって「残業」や「待ち」が発生

また、営業職はリピート注文を受けると、クライアント対応と並行して、過去の案件情報探しや制作指示をする必要があります。すると営業が本来やるべき仕事である見積書や提案書作成の時間が日中にとれず、夜間に残業をして対応しなければならないケースも出てきます。

制作部門は、営業からの指示を待って作業を進めるため、情報が来るのが遅いと「待ち」の時間が生まれます。納期を守るためにはすぐに次の部門へ引き継ぐ必要があるため、ここでも残業が発生します。

こうした非効率によって「残業」や「待ち」が発生

外回りで社内情報にアクセスできない営業から資料探しも依頼されると、その作業に時間をとられて、自分の仕事ができないというストレスも抱えます。印刷部門も、下版情報がそろわなければ、刷り出しを進められません。さらに営業担当は刷り出しにも立ち会うため、到着まで印刷機を止めて待機するというケースもあります。

リピート受注の課題をカンタンに解決する方法!

このように、印刷会社の仕事の多くを占めるリピート受注。そのムダを減らすことが、生産性向上や時間外労働削減といった働き方改革のテーマを、大きく前に進めます。
従業員にとって働きやすく、生産性の高い印刷会社へ第一歩を踏み出すための、業務改善方法の一例をご紹介します。

① リピート受注業務の効率化を実現しよう!

リピート受注時の資料の確認や、部門間の情報共有に時間がかかると、各部門で追加業務が生まれます。こうした情報共有の遅れで労働時間が増えるという課題は、クラウドの活用で解決できます。

クラウドのストレージを活用すれば、社外のどこからでも、自分で会社のデータを確認することができます。資料を探す時間が減らせるほか、営業が会社に戻るための移動時間や、資料探しを依頼される内勤者の支援業務も減ります。

これにより無駄な時間が減って生産性が上がり、残業時間の削減につながります。また、クライアント対応のスピードも速くなり、顧客満足度のアップにもつながります。

ファックス文化が残る注文書の保管業務も、クラウドを使えば効率化できます。注文書をスキャンするだけで、ファックス番号や営業担当ごとに仕分けしてクラウドに保存。他の紙ベースの書類もスキャンするとクラウド上に保管ができるため、分類や探す手間が省けます。

リピート受注業務の効率化を実現しよう!

大規模な投資は難しくても、すでにあるシステムの活用によって、業務が改善できます。場所にとらわれず効率的に働くことができる仕組み作りは、リピート受注の業務を効率化するための第一歩です。リコージャパンでは、これらの仕組みを簡単に取り入れられるツールを用意しています。

ツールの詳細をご案内する、無料の資料をご用意しました。こちらからすぐにDLできますので、ぜひご覧ください。

② リモートワーク環境が整備出来てない・・・何を準備すれば分からないという方!まずはこちらから!

新型コロナ以降、リモートワークや在宅勤務が一般化し、社外にいながらにして、いつでもどこでも、社内メンバーとの情報共有やコミュニケーションをスムーズに行うためには、インフラ環境の整備が必須となりました。

しかし、自社でリモートワークや在宅勤務を導入したいけれど、何から準備したらいいかわからないという方におすすめなのが、リコージャパンが提供する「在宅勤務パック」です。

必要なツールやシステムなどを一通り、パッケージで提供。ひとつひとつのツールやシステムを自社でそろえる必要がないため、簡単かつスピーディーにリモート環境を導入できます。

「リコージャパン・在宅勤務パック」の詳細はこちら

③ 顧客情報も効率よく管理して、従業員と顧客の満足度をアップ

顧客情報の管理を効率化すれば、リピート受注業務の生産性もアップします。

顧客情報、つまり名刺情報は、営業担当がそれぞれ保管しているという企業も少なくないでしょう。ただ、情報を共有できていないために、顧客にとって役立つ情報を提供する機会を失ってしまうこともあります。退職した社員宛にクライアントから連絡があったとき、名刺情報が共有されていないことで失礼な対応をして信頼を失う、なんてことも。

リコージャパンでは、複合機で名刺情報を一度に複数枚スキャンでき、クラウドで一括管理できる「RICOH カンタン名刺電子化アプリ for 連絡とれるくん」を提供しています。情報資産の活用によって働き方改革を実現する「連絡とれるくん」について、詳しくは以下のページをご覧ください。

「RICOH カンタン名刺電子化アプリ for 連絡とれるくん」はこちら

まとめ

いかがでしょうか?印刷会社の仕事の多くを占めるリピート受注業務では、営業がクライアントからの情報を待つ時間、情報収集の時間、また後工程の部門が指示を待機する時間など、「待ち」による非効率が多く生じています。

「納期は絶対!」を目指す印刷会社にとって、この「待ち」の時間を減らして生産性を上げることが、儲かる印刷会社になるための近道となるのです。

ICTツールの活用でムダな時間を減らし、毎日のひとつひとつの業務を見直せば、働き方改革は今すぐ始められます。今回、ご紹介した働き方改革実現方法に興味をお持ちの方は、こちらから詳細を解説した無料の資料を配布していますので、ぜひご覧ください。

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