「つながる印刷」を伝える 新施設「Horizon Innovation Park」に行ってみた!

「つながる印刷」を伝える 新施設「Horizon Innovation Park」に行ってみた!

製本機を中心としたさまざまな後加工機の製造販売をメインに、効率的なワークフローの構築や100ヶ国を超える国にシステムを提供するホリゾングループ。

印刷業の歴史や未来を語る上で欠かせない存在であるホリゾン社の本社びわこ工場敷地内に、10月28日「Horizon Innovation Park」(通称HIP)がグランドオープンしました。

そこでPrint Compass編集部は、秋晴れの空が澄みわたる10月某日、一足先にHIPにお邪魔し、独占取材をさせていただきました!

その魅力や、ホリゾン社がHIPを通して描く印刷業の未来を、現地の生の声とともにお届けします。

ノウハウの実践方法をまとめた
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目次

Horizon Innovation Parkに一足先に行ってみた!

京都駅から湖西線に揺られて約1時間、近江今津駅で下車。駅からすぐ近くには、「パワースポット」と呼ばれる竹生島に向かう観光船乗り場があります。琵琶湖がすぐ近くということもあり、景色を遮る建物がなく、広々としたのどかな雰囲気です。

近江今津駅から、車でホリゾン社へと向かいます。駅を出ると、びわ湖沿いの気持ちのいい道に出ました。湖畔のドライブを楽しんでいると、7~8分ほどでホリゾンの本社びわこ工場に到着。車を降りたつとすぐ、Horizon Innovation Parkが目に飛び込んできました。かなり広大です!

HIPの入り口を入った正面にあるのは、木をふんだんに使った温かい雰囲気の受付。とにかく広い!たくさんの人の来場にも対応できそうな受付です。

その隣には、クロークとして使えそうな立派なカウンターも。そこで笑顔で我々を迎えてくれたのは、広報を担当するコーポレートデザイン部の池本さんです。

編集部

池本さん、こんにちは!今日はよろしくお願いします。
広くてきれいで驚きです!目の前に琵琶湖が広がっていて、日ごろの忙しさを忘れるほどの気持ちよさですね。
まず、HIPってどんなところなのか、教えてもらえますか?

池本さん

ようこそいらっしゃいました!Horizon Innovation Parkは、ショールーム、TRAINING ZONE、セミナールーム、検証センター、動画配信スタジオ、飲食スペース、PRINTLAB.などの設備をそなえた2階建て・10,000 ㎡の施設です。

これまで運用していたショールーム兼検証ルーム「Horizon ACADEMY」よりも広く充実した場所で、世界に向けて情報発信をするためにオープンしました。

編集部

なるほど!横文字がいろいろ出てきて早くもちょっと混乱していますが、いろいろなことができる面白そうな施設ということはよくわかりました…!具体的に、どんなことができるのか教えてもらえますか?

池本さん

言葉で説明するより、実際に見ていただくほうがよくわかると思います。さっそく、実際にHIPの中を見ながら説明しましょう!丁度製本システムが動いている様子が見ていただけますよ。

Horizon Innovation Parkでできること

池本さんの案内のもと、我々Print Compass編集部はショールームなどがある1階エリアへ。なお、取材時は顧客やパートナー企業を迎えるエリアは、グランドオープンに向けて準備中。オープンのタイミングではレイアウトなどが変わっている可能性があるとのことですが、10月初旬時点での写真も交えてご紹介していきます。

業務を効率化するアイデアをショールームで体感

受付の奥にあるのは、1階エリアのうちの広い範囲を占めるショールームです。一歩足を踏み入れると、そこには…。

編集部

うわ~、ここも広い!面白そうな加工機がたくさんありますね。ここは何をするところなんですか?

池本さん

このショールームでは、ホリゾン製品と、連携する協力会社さんの製品を展示して実際に動かしています。印刷の上流から後工程、デリバリーまでの工程を、ホリゾン製品でどのように自動化、省力化するのかを見ていただけますよ。

編集部

ただ単にホリゾン製品が置かれているだけではなくて、他社製品と連携した形で見せてもらえるんですね。この一連の印刷機では、どんなことができるんですか?

池本さん

これは、B2シートに印刷された用紙をA4やA5サイズにカットして、ペラ丁合から製本、断裁工程を行う「シートカット装置連動無線綴じ製本ライン」です。

B2サイズからカットされて束になった紙は、コンベアを経由して、自動投入装置で製本機に投入されます。自動投入装置で束になった紙をきれいに揃えて製本機に投入するところがポイントです。製本された束は、最後に三方が断裁されて、完成した冊子がこのコンベアに出てきます。

編集部

すごい!紙をセットしてから冊子になるまで人の手が一切かからないんですね。人は機械が動いているかチェックすればいいだけだから作業の負担が減りますね。

リコーと協業で開発した、業務負荷軽減を実現する「つながる」装置

ショールーム内でひときわ目を引くのは、横一直線に長く並んだ一連の機械。リコーの印刷機が連携されています。

編集部

リコーの印刷機の排紙部分から、ホリゾン製品がつながっていますね。池本さん、これはどんなシステムですか?

池本さん

これは、プリンターインラインカットシステムです。リコーのプリンター「RICOH Pro C9210」と、名刺やスタンプカードといった小さなサイズの紙製品のカットや筋入れ加工ができるシートカット&クリーサー「SmartSlitter SMSL-100」を連携させています。

編集部

なるほど、このシステムはどういった特徴を持っているのでしょうか?

池本さん

「シートバッファリングモジュール SBM-100」という、後加工機側の給紙の制御ができる製品をプリンターと、シートカット装置の間に接続しているのが特徴です。プリンターから排出される速度と、後加工機側の給紙の速度は異なるので速度調整を行う必要があります。

シートバッファリングモジュールは、人出をかいさずにプリンターから排紙された用紙を、シートカット装置に最適な速度で給紙してくれる装置なんです。

編集部

カードなどの小さい紙製品を作るときは、人が印刷された紙を運んで、シートカット機にセットしないといけないんだと思っていました!

池本さん

印刷が終わった紙を「よいしょ」と運ぶのってけっこう大変なんですよね。印刷機から出てくる紙を制御して次の加工機に給紙するという、ただそれだけのことだけで、ぐっと人の負担が減るんです。

スマートファクトリーは大企業のためだけの言葉ではない

Horizon Innovation Parkは、ホリゾンが掲げている「スマートファクトリー」というテーマを体現する施設。プリンターインラインカットシステムに代表する他社製品間の連携も、スマートファクトリーの取り組みを実現するシステムのひとつです。

編集部

ショールームの展示で、スマートファクトリーがすごく具体的にイメージできました!でも、スマートファクトリーという言葉に、大掛かりな変革というイメージを持っている企業も多いですよね。

池本さん

確かにそうですね。「スマート」という言葉の響きを大きな投資費用がかかることとして、どこか他人事のように感じている印刷会社さんもいるかもしれません。でも、スマートファクトリーは、必ずしも大きな投資を伴うものではないんです。

編集部

中小規模の印刷会社さんでも、自分たちらしいスマートファクトリーが実現できるということですか?

池本さん

そうです。すべて最新設備に入れ替えるとか、ITをフル活用することだけがスマートファクトリーではありません。先ほど紹介させていただいたバッファリングモジュールは、1台導入するだけで省力化が図れるということがわかっていただけましたよね。

編集部

むしろ、規模の小さい印刷会社さんのほうが、そういうひとつひとつの行程の効率化が、印刷業務全体に大きく影響しそうですよね。

池本さん

そう思います。中小企業ほど変革に取り組みやすいのではないでしょうか。実はホリゾンの工場でも、スマートファクトリーを実践しているんですよ。

ホリゾン製品は手作業で作る部分も多いんですが、AGV(無人搬送車)が作業タイミングに合わせて部品を運ぶシステムなど、手作業と自動化を組み合わせてムダをなくす改善活動を日々行っています。大がかりなIT投資を行わなくても生産性向上のためにできることはたくさんあると思いますよ。

編集部

手作業にこだわりつつも、ムダは徹底的に省くというスタイルで効率化を進めているんですね!

池本さん

工程の一部分からでもスマートファクトリー化を進めてほしいからこそ、ホリゾン製品は「つながりやすさ」を重視しているんです。単体機として導入していただいて、業務内容にあわせて拡張できるような製品開発を行っています。

既存の仕組みや機材は活用しつつ、自社に合った方法で、スマートファクトリーを構築できる仕組みを提供していくことが、ホリゾンの使命だと考えています。

ホリゾンがHIPを通して伝えたい価値とは、上流から印刷・製本加工までが「つながる」こと。ホリゾンは、印刷システム全体のハブ的な役割となることで、印刷工場で動く各社の製品の連携を促し、印刷の省力化、効率化をサポートしたいという思いが、ショールームの見学を通して強く感じられました。

製品マニュアルを製本するPRINT LAB.

ショールームに隣接するPRINT LAB.にあるのは、「ロボット連動無線綴じ製本システム」。印刷から製本、断裁まで自動で行われています。

編集部

これは、何を印刷しているんですか?

池本さん

ホリゾン製品の大事なパーツのひとつの製品マニュアルを印刷しています。落丁や紙の2枚送りをチェックする機能や良品、不良品を履歴として記録するトラッキング機能もあります。良品だけを次の工程に流して作業を最小限に抑えるシステムです。

編集部

ホリゾン製品の部品を作る大切な工程なんですね!このシステムの特長は何ですか?

池本さん

この製本システムの特長は、協働ロボットが組み込まれていることです。ロボットアームが、印刷が終わった紙の束を1部毎につかんで製本機へ投入する作業を担っているんですよ。こちらが、完成したマニュアルです。

世界各国のユーザーの研修に対応するTRAINING ZONE

次に案内してもらったのは、PRINT LAB.の隣に位置するTRAINING ZONEです。

編集部

ここは何をするスペースですか?

池本さん

TRAINING ZONEは、世界各国のサービスエンジニアやユーザーのオペレーショントレーニング、協力会社さんのシステムと接続検証などに使用します。実際に動かしながらトレーニングができる製本機が置かれたエリアの奥には、座学用の研修室もあります。

編集部

なるほど!ここに、全国からお客さんが来るわけですね?

池本さん

ホリゾン製品はアメリカ、ヨーロッパ、アジアなど世界中で販売されているので、海外から研修にいらっしゃるお客様も多いですよ。オープンに向けて準備中なので、まだあまり機材をお見せできずにすみません!

編集部

どんなエリアになるのか、楽しみにしていますね!

編集部

ショールームや隣接する施設のご紹介、ありがとうございました!オープン後に訪れるお客さんに、楽しみながら体感してもらえそうですね。

池本さん

まだまだ、HIPの魅力はこれだけじゃありませんよ。次は、2階へどうぞ!

ショールームだけじゃない!Horizon Innovation Parkの魅力

動画配信スタジオ・ショールームでのライブ配信

受付横の階段を上がるとすぐの場所にあるのが、動画配信スタジオ。このスタジオとショールーム内のカメラを使って、YouTubeの「Horizon Channel」を配信しています。

編集部

お~!機材が充実していますね。Horizon Channelでは、どんな動画を配信しているんですか?

池本さん

Horizon Channelでは、企業イメージ動画やHIPの紹介動画はもちろん、製品説明や、スクリーンプリントキット「Tシャツくん」を使ったオリジナルTシャツの作り方も解説しています。

若手社員や外国人の社員が出演して、撮影や編集も僕らで行っています。現場の熱い思いをそのままお届けしているチャンネルなので、ぜひ観てください!

2階には、広々とした食堂や、コーヒーが楽しめるおしゃれなバーカウンターも!どちらも景色が最高です。お客様もご利用いただけるそうですよ。

池本さん

ここからが最大の見どころです!こちらの階段を上がってください。

編集部

屋上へ続く階段ですね。あ、階段の金属パネルに「Horizon」のロゴを発見!

池本さん

HIPが竣工したときにはこのパネルはなかったんですよ。「ここ、なんか物足りないから、パネル作っちゃおう!」と、社員たちで作ったんです。

編集部

すごいですね!さすがこだわりのモノづくりの会社!

池本さん

ホリゾンという会社は、地元出身の社員も多くて、大きな家族のような会社なんです。このパネルも、作ろうというアイデアが出てすぐにみんなで行動しました。若手も含めて、ひとりひとりの意見が通りやすい社風ですよ。一部、「Horizon」のロゴが裏表になっているところは、ちょっと大目に見てください(笑)。

階段を上り切ると、高島市と雄大な琵琶湖を一望できるテラスに到着!

編集部

絶景ですね!気持ちいい!

池本さん

春は、琵琶湖沿いに4kmも続く桜並木がキレイに見えますよ!今年は中止になりましたが、毎年湖岸で開催される花火大会を見るのにも絶好のスポットです。四季の折々でいらしてくださいね!

ホリゾンが実現したい印刷会社の未来像

ホリゾンの製品は世界で使われていますが、顧客ニーズに的確に対応するため、すべてがこの本社工場で製造されています。要望があれば製品を顧客用にカスタマイズすることもあるそうで、製品の最小ロットはなんと1台。手作業とオートメーションを適切に活用しながら、コンパクトで導入しやすい製本機を丁寧に製造するホリゾンだからこそ、印刷の価値を高める製品が提供できることとわかりました。

編集部

お客さんの要望に応える製造体制は、さすが「顧客第一」を掲げているホリゾンさんですね。

池本さん

「顧客第一」というとカッコよく聞こえるかもしれませんが、実はもっとシンプルな本音があって。印刷会社さんの仕事が効率化して利益を出してもらわないと、ホリゾン製品も買ってもらえなくなるわけです。それでは私たちも困ります(笑)。

ホリゾン製品によって印刷工場の効率化が実現すれば、生産性が上がって、もっと儲かるようになる。スマートファクトリーとはつまり、「もうかる印刷工場」になることです。だからこそ、大企業だけでなく中小の印刷会社さんも、スマートファクトリーを実践してもらいたいですね。

編集部

「スマートになる」より「儲かる」のほうが、印刷会社さんには嬉しいかもしれませんね(笑)。

池本さん

そうですね。同時に、効率化によって、より価値を生む印刷が実現できると思っています。アメリカなど海外では、印刷は「グラフィックアーツ」として高い技術が求められる洗練された仕事として捉えられていますが、日本では、ハードな仕事という印象のほうが強いですよね。

編集部

確かに、体力も必要な仕事ですしね。

池本さん

印刷会社の効率化が進めば、印刷のクオリティ向上や、新しい取り組みにチャレンジできる余力が生まれます。そうすると、よりすばらしい色、装丁、品質の本などの印刷物が生まれて、それを手に取った人が、印刷業界への憧れを抱いてくれるはずだと思っています。

リコーなどの印刷機メーカーに期待することは?

「つながる」ことによる価値を提供するため、印刷機メーカーとのさらなる連携を進めているホリゾン。小ロット短納期に対応できるデジタル印刷だからこそ、「面倒くさい」「儲からない」と思っている印刷会社さんも多いと池本さんは言います。

編集部

印刷会社さんの中には、小ロット短納期印刷の作業に効率化の余地を残している会社さんも多そうですね。

池本さん

各社の製品連携によって、小ロット短納期印刷を「儲かるシステム」に変えていけるんです。正直なところ、各社の仕様の違いなどで連携しきれていない部分がまだ多いと感じています。

バッファ装置の開発は、リコーさんの情報提供を含む協力があって実現しました。リコーさんは、印刷会社さんに物流面のソリューションも提案されるなど、印刷業全体の効率化に力を入れているという点で、私たちと共通する意識を感じますね。

編集部

Print Compass編集部としても、ぜひ一緒に印刷業界を盛り上げていきたいです!

池本さん

はい、ぜひよろしくお願いします!

スマートファクトリー実現に向けて発信を継続

10月28日(水)から11月6日(金)までは、Horizon Innovation Parkで完全招待制のイベント「Horizon Smart Factory 2020 in HIP」も開催。HIPはこれからも、顧客やパートナー企業とのコミュニケーションの拠点としての役割を果たしていくそうです。

印刷業の効率化を進めるためのコミュニケーションの一環が、TSF実行委員会としてホリゾンが開局した「TSF TV」です。

これは、2019年11月に京都市で開催されたイベント『Think Smart Factory 2019』の考え方に共感するメーカーと共に、スマートファクトリーに関連する情報を発信していくYouTubeチャンネル。リコーとのコラボ動画も、近日公開予定です。公開次第、このPrint Compassでもお知らせしますので、お楽しみに!

つながる印刷で印刷業の未来に貢献したい

編集部

Horizon Innovation Parkの各設備を見せていただいて、「つながる印刷」の意義やメリットがよくわかりました!

池本さん

「つながる印刷」で、儲かる仕組みが作れるんです。スマートファクトリーは誰もが実現出来ることをHIPを通して発信していきたいですね。ホリゾンはこれからも、「つながる」をキーワードに、印刷業界の発展に貢献していきます!

編集部

印刷会社さんのビジネスに役立つ情報発信によって印刷業の未来を共に創るというHorizon Innovation Parkのコンセプトは、我々Print Compassの理念ともとても近いものを感じます。ぜひこれからもよろしくお願いします!池本さん、HIPの各エリアを見せてくださったホリゾンの皆さん、本日はありがとうございました!

HIP基本情報

Horizon Innovation Park

住所 : 〒520-1501 滋賀県高島市新旭町旭1600 株式会社ホリゾン 本社びわこ工場内
駐車場:有
見学料:無料

※見学のご予約は株式会社ホリゾン営業担当まで
ホリゾンHP:https://www.horizon.co.jp/index.html

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