加工機メーカーから印刷会社様との協創パートナーへ UCHIDA VALUE CREATION LABに行ってみた!

加工機メーカーから印刷会社様との協創パートナーへ UCHIDA VALUE CREATION LABに行ってみた!

断裁、型抜き、紙折り、帯掛け、計数。多くの印刷の仕事に発生する後工程。印刷してからクライアントにとっての「商品」にするために非常に重要な後工程の世界で、加工機メーカーとして大きな存在感を放っている会社の一つが「株式会社ウチダテクノ」様ではないでしょうか。

そんなウチダテクノ社に「業務効率化につながる加工機を見るだけではないショールームがある」とのうわさを聞きつけ、さっそくPrint Compass編集部は東京中央区にあるショールーム「UCHIDA VALUE CREATION LAB(ウチダバリュークリエイションラボ)」におじゃまいたしました。

ウチダテクノ社の考える「協創」や、「新しいビジネス」につながる加工機、など、編集部も驚きの内容をレポートさせていただきます!

ノウハウの実践方法をまとめた
資料を無料ダウンロード

目次

1.ただのショールームではない!お客様との「協創」の場

鶴野

こんにちは!Print Compass編集部の鶴野です。今日は編集部の加工機担当・須藤と一緒にウチダテクノさんのショールーム「UCHIDA VALUE CREATION LAB」にやってきました!

須藤

Print Compass編集部・須藤です。よろしくお願いします。東京駅からほど近くて、非常にアクセスのよいショールームですね。

鶴野

本当ですね。では早速入ってみましょう!

入口写真

ガラス張りで綺麗な入口に編集部一同のテンションが上がります

ようこそいらっしゃいました!

阪口さん

坂口様写真

(株)ウチダテクノ・省力化機械事業部の阪口様

鶴野

阪口さん、酒井さん、本日はよろしくお願いいたします!早速ですが、入ってすぐに色々なサンプルが展示されていますね。これは御社の加工機のサンプルなんでしょうか?

実はこちら、すべて弊社の加工機を活用しているお客様の実際のサンプルなんです。同じ加工機でも「どう使うか」はお客様によって千差万別なので、ショールームに来ていただいた方に「こんな活用方法もあるのか!」というアイディアの種をご提供できるように様々なサンプルを置いています。

阪口さん
鶴野

たしかに、このサンプルは帯掛けですが、いわゆる「納品物をまとめるため」、という一般的な使い方ではなく、商品のパッケージとして包装に使われていますね!

サンプル写真

アイディアの源泉になる様々なお客様サンプルの数々

そうなんです。こちらは綺麗な包装紙を再利用したい!というニーズに合わせて、シールの代わりに帯で包装紙を留めている事例です。加工機というと「効率化」や「工数削減」というイメージがあると思いますが、私たちは「付加価値を付けられるもの」だと思っています。なので「加工機をこう使ってください」ではなく、お客様と一緒に付加価値あるものを創っていく、そんなことができるといいなと思っています。

阪口さん
須藤

加工機で、新しい価値や商材を生み出す、ということですね!単純に業務改善のためのものではない、という考え方は素敵です。

鶴野

我々リコージャパンも印刷会社様との“共創”で課題解決を行う「RICOH BUSINESS BOOSTER」という取り組みを進めていますが、非常に似た感覚があります。

そうなんです!我々の内田洋行グループでは「情報の価値化と知の協創をデザインする」をコーポレートビジョンにしています。このショールームもこのビジョンがコンセプトの一部になっています。

酒井さん

実は弊社の加工機とは全く関係のないお客様サンプルなんかも展示しているんです。「なんでそんなことを?」と言われることもあるのですが、このショールームに来てくれた方へアイディアのヒントになるように、ということで取り組んでいます。

阪口さん
鶴野

お客様に寄り添って、新しいビジネスアイディアを一緒に創っていこうという強い想いを感じる取り組みですね!「協創」という企業の想いが形になっていて非常に素敵です。

2.「アエロ」×「POD機」だからできる新しい世界

鶴野

それでは早速ショールームの中を見ていきましょう!様々な加工機がありますが、それぞれどんな「協創」が生まれるのか楽しみです。

はい!まずは今まで様々な制約があって手が出にくかったビジネスに繋がる、オススメ加工機のご紹介です。こちらをご覧ください。

阪口さん

Aero Die Cut写真

最初のオススメ「Aero Die Cut」。実はエアロではなく“アエロ”と読むんです

須藤

こちらはいわゆる型抜き機、カッター&クリーサーでしょうか。失礼を承知で言うと、割と一般的な加工機にも思えるのですが、何か特徴があるのですか?

須藤さん、いい質問です!この加工機は「Aero Die Cut」というのですが、実は結構尖った商品なんですよ。

阪口さん
鶴野

尖った商品!?気になりますね…

実はこちら、印刷会社様には馴染みのある「木型」を使えるダイカッターなんです。ロータリーダイカッターなどのアルミ型のものが印刷業界では多いですが、アルミ型は結構高いですし、加工機自体も高価ですよね。このAero Die Cutは機械自体も800万円程度とコストを抑えつつ、木型で運用も低コストで行えるんです。

阪口さん

全体像&木型のイメージを見せる写真

右の木型を使って、一瞬でパッケージの抜き+筋入れが完了!

須藤

なるほど…、これはPOD機との相性もぴったりですね…!

鶴野

どういうことでしょう?

須藤

POD機は小ロットの案件に向いてますが、小ロットの仕事に使う“型”が高価だと結局単価が高くなってしまい受注が難しくなりますよね。木型であればそれが解決できそうです。

まさにそうなんです。なのでPOD機とセットでの活用が非常に多く、「コースター」や「缶バッジ」、季節ものだと「紙うちわ」などの小ロットニーズが高い商品の加工にぴったりです。また筋入れ加工も一緒にできるので、パッケージ製作で利用いただくケースも多いです。

酒井さん

缶バッジとコースター写真

POD機と相性ばっちりな缶バッジやコースターも簡単加工

鶴野

なるほど!それは確かにPOD機との相性がドンピシャですね!ウチダテクノさんとリコーの“協創”が実現できてうれしいです。

須藤

アルミ型では高いのでカッティングプロッターやレーザー加工機で加工するという会社様も多いですが、それだとモノによっては非常に時間がかかってしまうんですよね。例えば缶バッジやコースターの丸型を一つ一つ抜いていくのは大変です。そういった商材の製作を効率化したい、あるいは新しく始めたい、という印刷会社様にはぜひおすすめしたいですね。

“協創”という観点では、実は最近こちらの機械をマイナーチェンジしまして、「半透明素材」や「透明素材」にも対応できるようになりました。例えばクリアホルダーの型抜きなどですね。お客様とお話するなかでそんなニーズをうかがい、新しいビジネスを一緒に創っていけるよう改善を重ねています。

酒井さん
鶴野

なるほど、そういったニーズを拾っていくことで、痒い所に手が届く加工機が生まれていくんですね。感動です。

須藤

抜き加工を外注されている印刷会社様も多くありますが、この機械なら自社で内製化、というのも現実味がありそうです。あとは加工の際に大きな音が出ないのもいいですね。POD機は結構工場以外の事務所や作業場に置かれるケースも多いので、静音性も好相性と言えそうです!

音が静かなのも実は大きな特徴なので、そこも感じていただけ嬉しいです!ぜひPOD機とセットで活用いただきたいですね。

阪口さん

3.オンデマンドだったら数えなくていい…わけではない!

さて、次はこちらの機械をご紹介します。

阪口さん
鶴野

こちらは印刷会社様でもよくお見掛けする「計数機」でしょうか?

おっしゃる通りです、実は弊社の機械の中でも非常に長い歴史がある「カウントロンシリーズ」という計数器です。数を数える、というとシンプルですが、実はいまニーズが高まっているんです。

阪口さん

カウントロンシリーズの写真

紙枚数計数機・カウントロンシリーズ

鶴野

大量生産を行うオフセット機の印刷後に使われる機械、というイメージがありますが、いまニーズが増えているんですか?お恥ずかしながら弊社の場合POD機がメインなので、枚数を指定して印刷できるからあまり使わないかなぁ、という印象だったのですが…。

確かにPOD機では一見枚数が指定できるので不要に見える計数業務ですが、実は昔よりはるかに印刷物の納品部数に厳しくなっている仕事が多いとうかがいます。教育や医薬品などのセキュリティ意識の高い印刷物などは、納品部数を間違えては大問題になるケースもあります。

酒井さん
須藤

確かに、弊社のお客様の印刷会社様でもそういう話はうかがいます。今までは少し多めに納品しておけばいいだろう、言っていたのが通じなくなってきた、と。

そうなんです。個人情報を扱うDMなどだとなおさらですよね。印刷後の加工や封入封緘などのタイミングで部数がずれないように計数チェックする、というのは多くのお仕事で必要な業務になっているのではないでしょうか。

酒井さん

加工を外注に出す場合、あるは逆に受ける場合、どちらも受け入れ・出し、両方のタイミングで計数が必要な仕事も増えていると聞きます。またクライアント企業に対して計数をしっかり行っていることを示すために、履歴・エビデンスを残す意味でも計数機を活用いただいているケースは多いです。

阪口さん
鶴野

なるほど!確かにいざ何か問題が起きたときに「数えたはず…」ではなく、「こういう機械で数えています、履歴はこれです」と提示できるのは自社を守る意味でも非常に重要ですね。

計数のログイメージ

履歴が残せることが自社を守ることやクライアントからの信頼に繋がる

そうですね。もちろん問題が起きないに越したことはありませんが、様々な人や会社が入る以上絶対はありません。そのために履歴を残しておきたいですよね。

阪口さん
須藤

そういった体制がある、と示せるのはクライアント企業からの信頼獲得にもつながりそうですね。

あとはこちらも“協創”という意味では、どうしても従来の計数機は紙の端に数えた際の跡が残ってしまうという課題がありました。断裁してしまえばよかったのですが、最近はPOD機などで断裁加工のない商材も多く、それではダメという声が増えたんです。

酒井さん

そんなお客様の声をもとにできたのがこちらの「カウントロンA200」です。少しだけ従来機より計数スピードは落ちますが、計数跡がつかない優れものです。賞状やマークシートなんかは絶対跡をつけられないので、こういった機械が使われていますね。

阪口さん
須藤

なるほど!お客様の使い道を熟知するからこそ、ニーズに適した機械に繋がっているんですね。

4.非常識だった「箔押し後の追い刷り」を実現!?

鶴野

そういえば阪口さん。何やら「今までにない新しい印刷商材作り」に使えそうな加工機がある、という風の噂を耳にしました。ワクワクする響きですが、どんな加工機なんでしょうか?

それはこちらです!デジタル箔加工とラミネートができる加工機「フォイル&ラミネーターDC-395PRO」です。

阪口さん

「DC-395PRO」写真

“新たな印刷商材”につながると噂のデジタル箔加工&ラミネーター「DC-395PRO」

鶴野

箔押しですか。これまた言葉を選ばずに言えば、割と普通、な感じもしますね。

須藤

POD機でデジタル印刷したトナー部分に対して箔が乗る、という仕組みのものですよね。確かに既存のPOD機のCMYKにプラス箔が付く、というのは非常に訴求力アップにつながると思いますが、“今までにない”とまではいかないような…。

なるほど。お二人とも、まだまだこの機械の真の力をご存じないようですね…!

阪口さん
鶴野

真の力…ですか?

先ほど須藤さんの言ったようにPOD機で刷ったものに箔を乗せる、というのはもちろんですが、実はこちらで「箔を乗せたもの」に「さらにPOD機で追い刷り」が可能なんです。

阪口さん
鶴野

な、なんだってー!!箔の付いた紙をPOD機に通すなんて、「不可能」だと思っていました。熱や静電気で通紙時に箔がはがれてひどいことになりそうなものですが…。

本来そうな懸念があるので、印刷業界でも「非常識」だと思われてましたよね。でもこちらの機械は弊社で扱っていた従来のデジタル箔加工機の数倍の圧力をかけて箔を圧着すること、専用の箔を用いて定着性を向上させたこと、の2点の特徴を持っており、印刷時に箔がはがれにくくなりました。

阪口さん

箔押し写真

追い刷りだからできる、爪やドレスなど一部だけが箔押し状態のデザイン

すべてのPOD機で検証が取れているわけではないのですが、リコーさんではフラッグシップモデル「RICOH Pro C9200シリーズ」で検証していただいております!

酒井さん
須藤

それはすごいですね。例えば箔押しした賞状に対して追い刷りで名前を入れるとか、箔で訴求力をアップしたDMに住所やデザインバリアブルを行う、一部を箔押しした名刺下地に後から個人の情報を入れる、なんてことも可能ってことですか。

須藤さん、すらすら活用イメージが湧いてきてすごいですね(笑)まさにおっしゃる通りです。もちろんデザイン性をさらに上げる、という活用方法もありますね。レザックみたいな凹凸紙にも、デジタル箔加工をして、追い刷りすることもできちゃうんですよ。

酒井さん
須藤

これはインパクトが大きいですね。カラーPOD機を使えば名前や住所などのスミ文字だけでなく、顧客や店舗ごとに少しずつ違う情報を出す、というようなフルカラーの可変デザインまで追い刷りできるので、様々な「今までにない新しい印刷商材」を考えられそうです。

デザイン専門学校の学生さんと、どんなデザインに活用できるか?というアイディアを“協創”したこともあるんです。ぜひ色んな印刷会社様とも活用方法を一緒に考えていきたいですね。

阪口さん

5.付加価値の高い「封筒」を効率的に生産するスグレモノ…!

最後にご紹介するのはこちらです!これはまさにリコーさんとの“協創”になりますが、「UCOS 封筒フィーダー」です。

阪口さん

RICOH Pro C5300Sに取り付けられた封筒フィーダー

RICOH Pro C5300Sに取り付けられた封筒フィーダー

鶴野

RICOH Pro C5300Sシリーズ専用の封筒フィーダーですね!

はい、もともと封筒は軽オフなどで回している印刷会社様も多いですが、最近はフルカラー印刷やバリアブル印刷のニーズも多く、課題があるとお聞きします。また軽オフを扱っていた職人さんが退職されて仕方なく外注している、なんて話もよくうかがいます。

阪口さん
須藤

弊社でもよくうかがう課題ですね。POD機なら「フルカラー・バリアブル・スキルレス」なので丸っと解決!とご提案したいところなのですが、封筒によっては手差しトレイでの印刷になるのでトレイに置いておける枚数が少なく、印刷時は常時横に立って給紙しなければいけない、というお客様の声がありました。

そんなお困りごとをお客様・リコーさん両方からうかがって発売したのがこの封筒フィーダーです。85g/㎡の長3封筒で最大約500通積載でき、また追い積みできるので、例えば数百枚のDM用封筒、なんてお仕事への対応が抜群に早くなります。

酒井さん

85g/㎡の長3枚封筒で500通程度積載可能なフィーダーで封筒ビジネスを加速

85g/㎡の長3枚封筒で500通程度積載可能なフィーダーで封筒ビジネスを加速

鶴野

DMといえば、コロナ禍ではばら撒きDMではなく、「しっかりターゲットを絞り込んでリッチなDMを送る」というニーズが増えたという話もうかがいます。そうすると数百部というロットの封筒のお仕事も増えそうなので、今の時勢にも相性がいいかもしれませんね!

おっしゃる通りですね。DMの仕事を新しく取りに行きたい!という印刷会社様の声もよくうかがいますので、そこに対応できる機械だと思います。

阪口さん
須藤

しかもこちら、フィーダーの下は通常の給紙トレイを置くことができるので、POD機が封筒専用機にならないのもいいですね。軽オフでやっていた帳票や名刺などの小ロット印刷も同じ機械で行う、ということが可能になりそうです。

POD機をフル活用するためにも、封筒のお仕事がある、または取っていきたい、という会社様にはオススメの一品です!

阪口さん

6.1+1を2以上にする“協創”で、印刷業界をともに盛り上げたい

鶴野

阪口さん、酒井さん、今日は色々とご紹介いただき本当にありがとうございました!

こちらこそありがとうございました!我々ウチダテクノとしては、お客様やリコーさんのようなメーカーさんと一緒に成長していきたいんです。とはいえ自社だけでその思いを広めていくのは難しいですから、ぜひリコーさんとは一緒に“協創活動”をこれからも広めていければと思います。

阪口さん

お互いがお互いの足りない部分を補完していけるといいですよね。印刷会社様、リコーさんのような印刷機メーカーさん、そして我々のような加工機メーカーががっちりとスクラムを組んで、1+1が2ではなく3や4になるようにすることが、印刷業界全体を盛り上げることにつながると信じています。

酒井さん
須藤

身が引き締まる思いです!ぜひパートナーとして、印刷業界をどんどん盛り上げていきたいですね。

ぜひよろしくお願いします!ウチダテクノも、加工の部分の話だけお伝えすればいい、ではなく、印刷会社様のビジネス全体の中でどうお役立ちできるか、を日々考えていきたいと思います。

阪口さん
鶴野

印刷業界の未来に向けて、ぜひ一緒に頑張っていきましょう!改めて本日は誠にありがとうございました。

集合写真

株式会社ウチダテクノ
UCHIDA VALUE CREATION LAB

住所:東京都中央区新川2-1-9 石川ビル1階
https://www.utecs.co.jp/machine/

ショールームご訪問や加工機についての具体的な相談をご希望の方は、下記お問い合わせフォームよりご連絡いただくか、リコージャパン営業担当まで直接ご連絡ください。

ご相談はこちらから

業務を効率化する 関連記事

関連する事例を見る

  • 無料相談受付中

    新規営業のヒントなど、お客様のご要望に合わせた情報提供・ご提案をさせていただきます

    無料で相談する

  • お役立ち資料を配布中

    印刷業界のこれからのヒントになるような役立つ資料を無料でダウンロードできます

    お役立ち資料を見る

  • メルマガ配信中

    印刷業界のこれからに役立つコラムやセミナー・イベントの開催情報をお届けします

    メルマガに登録する