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印刷業界がいま取り組むべきSEOとは 第1回:SEOの重要性と成功事例

印刷業界がいま取り組むべきSEOとは 第1回:SEOの重要性と成功事例

印刷業界でも、Web・オンラインを活用してビジネス拡大を考えている・実施しているという方は年々増えていると思いますが、その中でよく課題としてうかがうのが「Webサイトへの集客をどう増やすか」という問題です。
Webサイトを作っても人が来なければ意味がない。本コラムではそんなお悩み解決の1つの方法である「SEO」について、専門家である株式会社ディテイルクラウドクリエイティブ様より解説いただきます。

■本コラム筆者

株式会社ディテイルクラウドクリエイティブ
営業部 チーフ
佐野 幸亮

ノウハウの実践方法をまとめた
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目次

1. はじめに:そもそも「SEO」とは?

みなさん、「SEO(検索エンジン最適化)」という言葉を聞いたことはありますでしょうか。
「聞いたことはあるけど、具体的に何を指すのかは分からない」という方も多いのではないでしょうか。

SEOとは、「Search Engine Optimization(サーチエンジン・オプティマイゼーション)」の略称で、GoogleやYahoo!などの検索エンジンにおいて、自社のWebサイトを上位に表示させるための施策全般を指します。たとえば、検索ユーザーが「名刺 印刷 東京」と検索した際に、自社サイトが検索結果の1ページ目に表示されることで、アクセス数を増やし、最終的には売上を伸ばすことが目的となります。

SEOによって得られる検索流入は「オーガニックトラフィック」と呼ばれ、広告とは異なり、検索ユーザーの自発的な検索行動に基づくため、「いま悩んでいて解決方法を探している」・「いま欲している、買おうとしている」という課題やニーズが顕在化している方を集客できることから、ユーザーの質の意味で信頼性が高く、長期的な成果につながるマーケティング手法といわれています。

このSEO、実は印刷業界にとっても非常に有効なマーケティング手段として注目が高まっています。

2. なぜ印刷業界にSEOが必要なのか?

かつて印刷業界は、法人営業やFAX・電話営業といった「プッシュ型」の営業スタイルや、いわゆる御用聞きのようなルート営業のスタイルが中心でした。しかし、デジタル化の流れとともに顧客の購買行動は大きく変化してきました。今や多くの見込客がインターネットを使ってサービスを比較・検討し、注文に至る時代になりました。

たとえば、以下のような検索が日常的に行われています。

  • 「名刺印刷 即日対応 大阪」
  • 「小ロット チラシ印刷」
  • 「ノベルティ印刷 法人」

これらの検索キーワードは、すでに「印刷をしたい」というニーズを持っている見込客が検索に使用しているキーワードです。これらのキーワードで、自社のWebサイトが検索上位に表示されていなければ、機会損失を招いているということになります。

また、最近では「ネット印刷」と呼ばれるEC型の印刷サービスが増え、価格競争も激化しています。リアルな営業だけでなく、Web上でもいかに他社と差別化し、見込客の目に留まるかが重要となっています。

つまり、SEOは印刷会社が競争力を保ちつつ、継続的に顧客を獲得するための「不可欠な戦略」だと言えるのです。

3. 印刷業界におけるSEOの具体的メリット

印刷業界がSEOに取り組むことで得られるメリットは多岐にわたりますが、代表的なものをいくつか紹介します。

1. 商圏を越えた顧客獲得が可能

従来の営業スタイルでは、地元企業や近隣地域の顧客が中心でしたが、Webサイトを用意しSEOに取り組むことによって全国どこからでも問い合わせを受けられる体制が整います。特に、オンライン注文や配送対応が可能な印刷会社であれば、商圏は日本全国に拡大します。

2. ニッチなニーズに応える露出ができる

「賞状印刷」「会報誌印刷」など、1つ1つでは検索数があまり多くないキーワードでも、適切にSEO対策を施すことで露出を増やし、お問い合わせや案件に繋げることが可能です。こうした検索数(検索ボリューム)が少ないキーワードは「ニッチキーワード」と呼ばれ、一般的に競合が少ない傾向があり、SEOにおける上位表示の難易度も低く、効率的な集客につながります。

3. 自社の強みや独自性を訴求し、価格勝負を回避できる

Webサイトにコラムや事例紹介などのコンテンツを掲載することで、自社の専門性や対応力をアピールできます。これらの情報発信により、価格以外の付加価値を訴求しやすくなり、「安さ」だけでない競争軸を築くことができます。

4. Web制作事業の提案力強化

印刷業界では、Webサイト制作事業を展開されている会社様も多くいらっしゃいます。スタッフにSEO知識があれば、自社WebサイトのSEOを内製化できるだけでなく、自社WebサイトのSEOで培ったノウハウをクライアント様への提案に活用できます。ホームページリニューアル案件などでは、提案にSEO視点を加えることで、コンペでの他社との差別化にも繋がります。

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4. 印刷業界のSEO成功事例

SEOの重要性やメリットは理解できたものの「本当に成果が出るのか?」と疑問を感じる方もいらっしゃるでしょう。そこで今回は、実際にSEOに取り組むことで成果を上げた印刷会社様の事例を紹介します。
特別な設備やブランド力がなくても、SEO戦略によって集客や受注を伸ばすことに成功した2つのケースです。

事例1:地場の印刷会社が「即日印刷」で全国から注文を獲得

大阪を拠点とするA社は、主に法人向けに名刺・チラシ印刷を提供している中小企業でした。Web集客にはほとんど注力しておらず、集客の大半は営業担当者による訪問活動に頼っていました。
しかしコロナ禍を機に訪問営業が難しくなり、Webサイトの構築とSEOによる集客を強化。特に「名刺印刷 即日 大阪」や「チラシ印刷 翌日発送」など、納期に敏感なキーワードを軸に、対応力をアピールするような商品ページやコラムなどのコンテンツを制作しました。
結果、検索経由の問い合わせ数は半年で2倍以上に増加し、大阪だけでなく他県からも多数の注文を獲得することに成功しました。

事例2:「同人誌印刷」で専門性を訴求し注文数増加

B社は、東京に拠点を構える印刷会社で、以前から同人誌印刷を一部手がけていたものの、明確な強みとして打ち出してはいませんでした。
しかし、Webサイトに「同人誌印刷の入稿ガイド」「コミケ前のスケジュール管理術」などの“利用者の知りたい情報”に特化したコンテンツを掲載したことで、「同人誌 印刷 格安」「同人誌 入稿 初心者」などの検索で上位表示されるようになりました。結果、個人作家からの問い合わせが急増し、新規固定客の獲得に繋がりました。
SEOによって「潜在的なニーズ(検索時には自覚していない欲求)の掘り起こし」に成功した好例といえます。

5. 印刷業界のSEOは“ローカル+専門性”が鍵

SEOは「難しそう」「時間がかかりそう」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、印刷業界は「ローカル検索」や「専門ニーズ」に特化することで、短期的にも効果が出やすい業界です。

たとえば、「さいたま 名刺印刷」「小ロット 賞状印刷」「和紙印刷 特殊加工」といった、地域+用途+特徴を組み合わせたキーワードは、検索ボリュームは多くなくとも、成約率の高いユーザーを呼び込むことができます。

また、印刷業務の専門性や加工のこだわりなどをしっかりとWebサイト上に掲載することで、徐々に特定の地域や印刷物に特化した印刷会社だという知名度が上がったり口コミが増えたりすることで、最終的には「指名検索」につながる可能性を秘めています。

「指名検索」というのは、自社の会社名やサービス名で検索されることを指した言葉で、いわゆる「指名買い」のような行動です。つまり、「この会社に頼みたい」と思って検索してくれるユーザーを増やす施策であり、競合他社との大きな差別化になります。

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6. SEO施策の始め方:印刷会社がやるべき第一歩

ここまでSEOの重要性についてみてきましたが、それでは、実際に印刷会社がSEOを行うには何をすればよいのでしょうか?
SEOの基本ステップとその内容について、今回は簡潔にご紹介します。

1. キーワードの選定

まずは、自社のターゲットユーザーが検索しそうなキーワードを洗い出します。
先程も少々触れましたが、「さいたま 名刺印刷」や「小ロット 賞状印刷」のように「地域名+サービス名」「用途名+印刷」など、成約に近いキーワードを優先しましょう。

2. コンテンツの作成

選定したキーワードに合わせたページや記事(お役立ち情報やコラム・ブログなど)を作成します。たとえば「名刺印刷 格安 東京」なら、そのニーズに応える商品紹介や、納期・料金表、注文フローなど検索ユーザーが求めている情報を詳細に記載したページを作ります。

3. 内部対策とサイト構造の見直し

これは少し専門的なWebサイト制作の話になりますが、タイトルタグ・メタディスクリプションの最適化、見出しタグの使い方、URLの正規化、パンくずリストの設置など、基本的な内部SEOを押さえることで、検索エンジンから評価されやすくなります。

4. 継続的な改善とモニタリング

アクセス解析(Google AnalyticsやSearch Console)を活用し、自社のWebサイトにはどのようなキーワードから流入しているか、どのページが離脱率が高いかなどを分析し、改善を継続します。

それぞれの詳細な内容については、また今後のコラムなどでぜひ触れていきたいと思いますが、個別に詳しく聞きたい、という方はぜひ下記お問い合わせフォームよりご連絡ください。

▶SEOに関するお問い合わせはこちらから

7. 生成AI時代のSEO:「LLMO」とは?

近年、ChatGPTやGoogle Geminiなどの生成AIの普及により、検索ユーザーの行動にも変化が起きつつあります。従来はGoogleなどの検索エンジンで情報を探すのが一般的でしたが、今ではAIチャットに対して「おすすめの印刷会社を教えて」や「東京で名刺印刷を頼むならどこがいい?」と質問するユーザーも増えています。

このような変化の中で注目されているのが、「LLMO(Large Language Model Optimization)」です。これは、生成AIに自社の存在や強みを正しく理解させ、回答させるための手法です。

生成AIはWeb全体の膨大な情報から回答を生成するため、自社の情報が明確にWeb上に存在しない限り、回答の候補として選ばれることはありません。つまり、SEOと同様に「選ばれる理由」がコンテンツとして明示されている必要があります。

ユーザーの情報収集の入り口が「検索エンジン」だけでなく「生成AI」に広がる今、自社の情報がどちらにも“正しく・有益に・魅力的に”表示されるようにWebサイト内の情報を整備することが、今後ますますWeb集客の成否を左右することになります。

8. まとめ:印刷業界の未来を支えるSEOという選択肢

印刷業界は、紙媒体の縮小や価格競争といった課題を抱えつつも、「専門性」「対応力」「品質」といった強みを活かせる余地の多い業界です。そうした強みをインターネット上でも正しく伝え、見込客に届ける手段として、SEOは非常に有効です。

また、SEOによる自社Webサイトの検索上位表示は単なる集客手段にとどまりません。実際には、営業活動にもプラスの効果をもたらします。

たとえば、営業担当が提案先に訪問した際に「弊社は●●というキーワードでGoogle検索1位を獲得しています」と伝えることは、非常に説得力のある実績となります。なぜならば、多くの人が「検索上位の商品・サービス・企業=その分野で人気がある・支持されている」という認識を持っているからです。

さらに、SEOによって獲得したアクセスデータ(よく見られているページ、検索キーワード、滞在時間など)は、顧客ニーズを分析する材料にもなります。これらの情報は、新たな営業資料の企画やサービス改善にも活用できます。

つまり、SEOは「Web集客の方法」であると同時に、「営業力を底上げする方法」にもなるのです。従来の営業活動に加え、Web上でも多くの人に“選ばれる”商品・サービス・企業となるために、SEOという手段を活用してみてはいかがでしょうか?

本コラムでご紹介したことを、分かりやすいお役立ち資料形式でもお届けしています。
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