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2025/06/09
ショールームで創注!? 顧客体験を高め、選ばれる印刷会社になる秘訣とは
印刷会社様の営業活動で、新規開拓が思ったように進まない、他社との優位性が見出せない、自社の強みがお客様にうまく伝えきれていないなど感じたことはないでしょうか?
自社の強みをもっと効果的に伝えることが出来れば、今まで開拓できなかった企業へアプローチすることができたり、クライアントとの会話をきっかけに課題や関心事を聞く事ができたりするかもしれません。
その解決策の一つとして、実際の製品を見せることができる環境を整えることで、クライアントとの関係を強化するための方法があります。それがショールームです。
そこで本コラムでは、ショールーム改善の具体的なアプローチと、それに伴う課題解決の方法を探ります。自社の魅力を最大限に引き出し、クライアントの心をつかむためのヒントをお届けします。
ノウハウの実践方法をまとめた
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1. 印刷会社におけるショールーム改善の重要性とポイント
印刷会社様にとってショールームは、自社の強みや技術力を直接伝える重要な場所となります。訪問営業やリモートでの営業活動では伝わりにくいことや実際のサンプルを見せることで、お客様に具体的なイメージを抱いてもらい、より広がりのある会話や効果的な提案に繋がります。このようにショールームは、営業活動の中で欠かせない役割を果たしています。
またショールームは、商品を「見せるだけ」の場としてではなく、営業活動につながる(=創注に繋がる)ショールームにすることが重要になります。
営業活動につながるショールームにすることで得られることは、主に3つあります。
1. クライアント体験の向上
ショールームがあることで、クライアントが実際の印刷物を手に取ることができ、その質感や色味、仕上がりを直に体験することができます。また、印刷品質をその場で実感できることで、納品後の不安を減らすことで安心感が生まれます。
例えば、クライアントが「DMを作成したい」と考えている場合、実物を見ていただくことで、クライアントが求める質感やデザインの方向性を明確にしやすくなります。また、クライアントがイメージしていることがより具体的に理解できるので、印刷会社様にとってもクライアントにとっても考えの相違を少なくすることができると思います。また、会話の中でイメージを膨らませることができたり、違う提案が出来る可能性も出てきます。これにより、クライアントとのコミュニケーションが深まり、よりスムーズで効果的な提案ができるようになります。
2. 自社の強みをアピールできる
ショールームは、自社の強みや技術力をアピールできる場でもあります。また、クライアントが他社と比較する際に、ショールームでの体験や印象が購入決定に影響を与える可能性もあります。
先ほどのDMの例を挙げると、単にクライアントの要望に答えるだけでなく自社の強みが加工技術である場合、箔を追加することで高級感を演出したり、凹凸をつけることで触覚的な魅力を加え、他の印刷物と差別化を図るという提案も実際のDMのサンプルを見せながら説明することができます。このように、実際のサンプルを見せながら、自社の強みをPRすることで、追加提案をすることができたり、他社との差別化にもつながります。
また、クライアントとの会話で最新の情報を入手し、常に最新のトレンドや技術を反映した展示を行うことで、クライアントに新たな提案をする機会も増えます。
3. 新規ビジネス獲得の可能性
ショールームは、実際のサンプルを手に取りながらクライアントと会話をする貴重な場です。この環境でのやり取りを通じて、クライアントの潜在的なニーズを引き出すことができるかもしれません。
例えば、DMを作成したいと考えていたクライアントが、初めは予算内で実現できるDMができれば良いと考えていたとしても、実際にサンプルを見たことでイメージが膨らみ、思いがけない課題やニーズを口にしてくれることがあります。「そういえば、こんな課題もあった」「こんなアプローチも試してみたい」というアイデアが浮かんだ結果、予想以上に大きな提案に発展することも十分に考えられます。
以上の3つのポイントから、
ショールームはクライアントの考えを広げ、予想以上の商談へとつながるチャンスがある場所であるという事がご理解いただけたでしょうか?
お客様とじっくり向き合い、実際のサンプルを通じて新たなアイデアを引き出すことで、営業活動にも新たな可能性が広がります。
既存のショールームでも新規で立ち上げるショールームでも、創注を意識する事が大切であるという事がご理解いただけたのではないかと思います。
では、創注を意識したショールームとはどんなショールームなのか?次項でショールーム作りについてご紹介します。
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2. 印刷会社様向けのショールーム改善例
近年、オンライン商談も普及している中で、印刷会社様が直面している課題の一つとして、製品の品質や特長を十分に伝えることの難しさです。画面越しでは、実際の製品の質感や機能を体感することができず、他社との差別化を理解していただくことが難しいのが現実かと思います。
そこで第2章では、「印刷会社様のショールームにこのような工夫をすると、よりクライアントに伝わりやすいのではないか」というアイデアを紹介します。
例1:空間デザインを軸とした改善例
空間デザインとは、室内や屋外などあらゆる空間を総合的にデザインして、快適に過ごせる空間を創り出すことを言います。
ショールームの魅力を引き出すためには、この空間デザインを活用して、より魅力的で機能的なレイアウトを取り入れることも改善の一つに繋がります。
例えば、図書館のように全体を見渡すことができ、各製品やサンプルを手に取りやすい配置にすることで、来場者が自由にサンプルをチェックできるようになったり、自分のペースでじっくりと製品を検討でき、作りたい印刷物をより具体的にイメージしてもらえる場となります。
このような空間デザインにすることで、ショールームはただのサンプル展示ではなく、積極的に体験し、学び、対話を深める場所へと進化して、クライアントにも印象に残るショールームを作り上げることができます。
下記では、空間デザインについて少し具体的な例を示してご紹介します。
<サンプル展示棚の改善例>
図書館のような全体を一目で把握できる空間を作るためには、イメージ図にあるようなサンプル棚を利用することが最適です。
図1の棚は、厚みのあるサンプルでも並べて展示することができます。また、図2のような雑誌棚タイプを活用すれば、サンプルのバリエーションが多い場合でも、収納部分を開いて見せることが可能となります。
また、サンプルの大きさに合わせて構成を組み合わせることもできます。
図1:書架タイプ
図2:雑誌棚タイプ
このように棚ひとつにしても、配置や見せ方を工夫することにより、豊富にあるサンプルを必要な時に必要に応じて見せることができます。
クライアントと一緒に実物を見ながら意見交換できる場を作ることで、より具体的なイメージを共有することができたり、製品に対する安心感、新しい提案や改善点を一緒に考えることができ、クライアントと共にアイデアを共創する場として活用できそうです。
加工機メーカーであるウチダテクノ社様のショールーム「UCHIDA VALUE CREATION LAB(ウチダバリュークリエイションラボ)」では、まさにこの「協創」や、「新しいビジネス」を意識したショールーム作りをされています。是非こちらの記事も参考にご覧ください。
例2:デジタル活用に特化した改善例
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最近では、ショールームにデジタルホワイトボードやデジタルサイネージを活用する例が増えており、ショールームの体験が大きく向上しています。
デジタルホワイトボードでは、プレゼンしながらその場で書き込みもできるため、クライアントと会話をしながらアイデアやイメージをその場で双方確認しながら会話を進める事ができます。
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デジタルサイネージでは、自社の事業紹介や製品の印刷の作成過程を動画コンテンツとして見ていただくことができるので、カタログや口頭だけでは伝えきれない内容をクライアントにわかりやすく説明し、理解を深めることができます。
例えば、後加工機が充実している印刷会社様などでは、後加工機を使って色々な形でヌキができるという点や、さまざまな箔を使う事ができることを紹介したり、スジ押しやカットなど豊富なラインナップを紹介することが動画で説明することができます。
また、工場見学ではお見せすることが難しいパターンも撮影・登録しておくことで、いつでもご紹介が可能となります。
実際のサンプルを置きながら補足説明用としても使用できるため、説明が不慣れな方でも安心してお客様へご紹介をすることができます。
動画制作そのものを行っている印刷会社様では、デジタルサイネージ自体がビジネス紹介の一環となるため、より効果的に活用できそうです。
例1、例2でご紹介したショールーム改善例は、単なるスペースの改装にとどまらず、実際に新たな案件創出を目指した改善例としてご紹介しました。
今回ご紹介したものはほんの一例になりますが、ショールームの新規構築/既存ショールームの改善などリコーでもご要望に合わせたご提案が可能です。リコーでは、デジタル技術と空間デザインを組み合わせた改善提案が出来ることが強みとなるため改善についてご興味がありましたら是非ご相談下さい。
3. ショールーム制作の事例 -印刷業界における課題とショールーム改善の取り組み-
最後に、弊社が印刷会社様からご相談を受け、実際にショールーム改善に取り組み、成功した事例をご紹介します。
会社名:株式会社ファビオ様
本社所在地:岡山県岡山市
資本金:4000万円
従業員数:40名
1965年製版会社として創業
岡山県と東京都を拠点に主に販促物を取り扱う印刷会社様
【課題】
- 競合他社との明確な優位性が見出せない
- 自社の強みを顧客に伝えきれないこと
- 市場の低価格競争に巻き込まれている など
上記課題から仕事の確保、そして付加価値の高いサービスをどう確保するかが最優先の課題として考えていた。
【改善のポイント】
- 実際の商品を手に取ってもらうことで自社の強みを伝えたい
- 営業マンの充実度、教育不足を補いたい
- クライアントに来社してもらうことで、自動的に新規開拓に繋げたい
このような思いをもって、自社内にショールームを設置することを決めました。
【成果のポイント】
- 実体験の重要性
クライアントが実際に製品を手に取ることで、会話の内容が具体的になり、理解が深まった。 - 価格から価値へ
ショールームに来たクライアントは、価格よりも販促物の仕様や、その効果に焦点を当てるようになり、価値ある提案がしやすくなった。 - 問題解決のきっかけ
クライアント自身が自社の問題に気付き、具体的な解決策を見出すことができた。 - 対等な関係構築
クライアントと営業マンが同じ空間で話すことで、親近感が生まれ、対話がスムーズになった。 - 盛り上がりの創出
ショールームでの体験が楽しいものであったため、クライアントが心を開き、自然な会話が生まれた。 - 営業の効率化
ショールームが営業の役割を果たすことで、営業マンはラクに話を進めることができ、新人でも成果を上げることができた。
このようにショールーム改善を行ったことで、株式会社ファビオ様は、実際に新規クライアントとの受注につながる成果も上がり、ショールームが営業の力を高める重要なツールであることを実感されたというようなお声をいただいております。 この成功体験を受けて池上社長は、他の企業でもショールームの設置を検討する価値があると感じているとのご意見をいただけています。
・ファビオ様ショールーム
4. まとめ
いかがでしたでしょうか?
印刷業界において、ショールームの設置は、自社の強みを顧客に伝え、課題を解決する有効な手段となります。また、顧客の声を直接聞くことで、双方のコミュニケーションを円滑にし、他社との差別化を担うための重要な場となります。
ショールームの改善・導入は、単に製品を展示する場に留まらず、ビジネスの新たな可能性を切り拓く出発点になるかもしれません。この機会に是非ご検討してみてはいかがでしょうか。
今回ご紹介した印刷会社様向けショールーム改善提案について、内容をわかりやすく一つの資料にまとめました。
資料は無料でダウンロードいただけますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
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無料での相談も承っておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。
【参考】
事例でご協力いただいた株式会社ファビオ様HP
https://www.fabio.co.jp/