売上アップを目指す
2024/11/12
開発者の声をお届け:ゴールド・シルバートナーの活用で、印刷ビジネス創注の可能性を拡げるには
高級感や特別感の代名詞とも言えるゴールド(金)・シルバー(銀)を使った印刷物は世の中に多くありますが、小ロット・多品種のニーズの高まりや、人材・人的リソースの効率化などの影響で「デジタル機でのゴールド・シルバー印刷」を推進あるいは検討している印刷会社様も多いのではないでしょうか。
そうは言っても、デジタル機、その中でも特にトナー機でのゴールド・シルバートナーがどのくらい印刷ビジネスに活用できるのか?という疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
本コラムでは、通常のCMYKに加えて、ゴールド・シルバーなどの特色トナーを活用できる「RICOH Pro C7500」の開発担当者の1人である、株式会社リコー グラフィックコミュニケーションズBUの大西 一臣さんにお話しをうかがい、ゴールド・シルバートナーの可能性を探ってまいります。
ノウハウの実践方法をまとめた
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1. 「もっとゴールド・シルバーを活用して、ビジネスを拡げて、儲けていただきたい」
編集部:
今回、POD機でのゴールド・シルバートナーの活用について色々うかがわせてください。まず大西さんはどのような役割なんでしょうか?
大西:
私は主に印刷会社様に品質をご確認いただくためのサンプル開発を行っております。リコーの最新POD機であるRICOH Pro C7500のサンプルについても担当しております。
リコーのPOD機だからできる印刷物のクオリティや、どんなビジネスで活用いただけるのかを印刷会社様に肌で感じていただけるよう意識して、日々サンプル開発に取り組んでいます。
もちろん自社独りよがりのサンプルでは印刷会社様のニーズに合致したものにはなりにくいですので、ショールームにご来場いただいたお客様や展示会会場などで直接印刷会社様と会話をさせていただき、「ただの綺麗なサンプル」ではなく「ビジネス想起に繋がるサンプル」になるように、どんどんブラッシュアップしていくような活動もしております。
(株)リコーでPOD機のサンプル開発チームリーダーを務める大西一臣さん
RICOH Pro C7500は特に「特色トナーが使える」という特徴的な機種ですので、特色トナーを使ってどんなビジネスができるのか?ということをお伝えできるように意識してサンプル作りをしています。特色トナーは印刷会社様のビジネスを大きく広げることが出来る、大きな可能性を持っていると自負していますので、「こんなことができるなら使ってみたい!」・「これはクライアントにぜひ提案してみたい!」という声をいただけるよう、どんどん魅力を伝えていきたいですね。
編集部:
そんな中で、今回ゴールド・シルバー活用をイメージしていただけるサンプルブックを制作されたとうかがいました。
大西:
そうなんです。ゴールド・シルバーについては印刷会社様にとっては馴染み深い色だと思うのですが、ゴールドをオフセット機や箔押しではなくPOD機で使えるとして、どんなビジネスに繋がるのか、というのがすぐに浮かばない、というようなお悩みをいただくこともありました。
パッケージや冊子など、様々な印刷ビジネスを想起できるサンプル
ゴールド・シルバーをトナーで印刷出来る、という事実だけでなく、どんな用紙・メディアや、どんな商材と組み合わせるのが良いのか、そこをもっと我々としてもお伝えしていって、印刷会社様にどんどん活用して儲けていただきたいと思ってます。そんな想いで今回サンプルブックを制作しました。
2. 「パッケージやラベル、DMの効果改善、どんどんアイディアを膨らませてほしい」
編集部:
先ほど「どんなビジネスに繋がるのがなかなか思い浮かばない」というお悩みの話がありましたが、今回のサンプルブックでそこについて工夫した点はどんなところでしょうか?
大西:
実はこのサンプルブックは1つの冊子なんですが、様々な用紙を使って印刷しているのが大きな特徴です。単にゴールドやシルバーが刷れるよ、ということだけではなく、こんな用紙を使ってこんな印刷商材が作れそう、というのを肌で感じていただきたかったですし、様々な用紙があることで印刷会社様ごとに強み領域や既にお持ちのクライアント様への提案が思い浮かんでいただきやすいかな、と考えて作りました。
例えば、風合いのある黒の色紙にしっかりゴールドが乗ることで、高級感あるDMやパンフレットの提案をイメージいただいたり、といった形です。ちなみに今回サンプルに使っている用紙については、ゴールドトナー・シルバートナーと特に相性が良いおすすめの用紙となっていますので、ぜひ参考にしていただければと思っています。
色紙・凹凸紙との組合せで高級感をPRできる小ロット印刷を実現
手前味噌な話で恐縮なのですが、凹凸紙や特殊紙など多彩な用紙に対応できる、というのはリコーのPOD機の強みと考えております。もちろん、サンプルブックに使っている用紙はそのごく一部になりますので、アイディアを膨らませていただき、「こんな用紙でも刷れないか?」・「こんな商材は作れないか?」というご相談があれば、遠慮なくどんどんご相談いただければと思います。
ここまで用紙対応力が広がったのも、様々な印刷会社様からご要望をいただいて、共創させていただいた結果ですので、ぜひその点を多くの方に感じてほしいと思っています。
編集部:
ゴールドやシルバーの活用について、アイディアを膨らませるにあたり、具体的に最近のトレンド的な使い方、などはありますか?
大西:
そうですね、例えば厚紙対応力を活かして、POD機で小ロットのパッケージ生産を行っていただいている会社様が、ゴールドを使ってより高級感を演出する、というお話はうかがっています。箔を使いたいがコストの問題で難しい、というような際に、ゴールドトナーやシルバートナーを活用するのは、低コストかつ小ロットの生産に非常にマッチするのではないでしょうか。
例えば和菓子のような、パッケージの種類が非常に多くロットはあまり多くない、かつあまり大きいコストを1つのパッケージにはかけられない、というような商品には非常に向いているかもしれません。
また、ラベルシール生産などで活用できるタック紙への小ロット印刷をRICOH Pro C7500で行っていただくケースもあります。例えば酒瓶など、ゴールドやシルバーで高級感を演出したい商材かと思いますが、最近は期間限定品や地域限定品、さらには1to1のオリジナルパッケージでの販売なども増えてきておりますので、そういうビジネスについてはPOD機との相性がバッチリだと思います。
さらには、サンプルブックのように長尺用紙への印刷にも対応しておりますので、高級感のあるパンフレット作りにも活用いただけるのではないでしょうか。厚紙・薄紙への対応強化で、表紙・本身両方をPOD機で生産いただけるのもポイントです。美術館や博物館などのパンフレットで活用いただいているお話もうかがっています。
長尺印刷+ゴールド・シルバーでパンフレットなども
もちろんそれ以外にも、賞状や特別感のある名刺などは活用方法としては最もポピュラーなものの1つですし、いまニーズの盛り上がっている推し活関連グッズなんかでも活用いただけそうですね。
編集部:
面白い活用方法が色々ありますね。ちなみに、冒頭に話されていたDMなどはやはりニーズが多いでしょうか?
大西:
そうですね。DMで活用いただいているケースも非常に多いです。昨今のDMは、少し前まで主流だったばら撒きタイプから、特定のターゲットに絞り込んで送るプレミアムタイプに変わりつつあるように感じます。
一通あたりの単価は少し高くなっても、特定のターゲットに絞ることでより反応を得やすいDMにしたい、という要望を受ける印刷会社様も多いのではないでしょうか?
そうは言っても、デザインや形状で差別化を図るのはなかなか難しいものかと思いますが、実はクライアント企業が最も求めている「DMの効果アップ=反応率向上」にゴールド・シルバートナーが寄与した、という実験結果があるんです。
詳しくは下記記事をチェックいただければと思うのですが、ゴールドトナーを使ったかどうかで、反応率が「2倍近くになった」という結果になりました。こういったデータは、クライアント企業は非常に喜ぶと思いますので、ぜひ営業活動に活用いただければと思っています。
▶特色トナー活用で印刷物の反応率アップ!の実験結果詳細はこちら
パッケージやラベルなどの商材活用から、DMの効果改善まで、様々なシーンでゴールドトナー・シルバートナーは活用いただけていますので、どんどんアイディアを膨らませて活用していただけると、開発者冥利に尽きます。
3. 「様々な部署やクライアントさんと一緒に見て、ディスカスしてほしい」
編集部:
アイディア次第では、1つのトナーで様々なビジネス展開が検討できそうですね
大西:
そうなんです。今回制作したサンプルブックはもちろん様々な方に見ていただきたいのですが、サンプルブックを拡げて、社内の様々な部署の方や、さらにはクライアントさんなんかも交えて、「どんな商品に使えそうかな」というのをディスカスするための素、のような使い方をしていただけると非常にうれしいです。
実はゴールド・シルバーのトナーはそれぞれの金・銀の色を出すだけではなく、CMYKと掛け合わせることで更に様々なメタリックカラーを表現することが可能です。
サンプルブックには、実際にかけあわせで表現できるメタリックカラーの組み合わせをカラーチャートの形でも掲載させていただいております。様々な用紙、様々な色でどんな表現が出来るか、きっと印刷会社様ごとに色々な発見をしていただけると思います。私たち開発メンバーでも思いもよらなかったような使い方を見つけてもらえれば幸いです。
ゴールド・シルバーとプロセスカラーの組み合わせで拡がる可能性
開発担当の一員として、ゴールドトナー・シルバートナーをはじめ、特色トナーを活用できるRICOH Pro C7500には、まだまだ無限の可能性、伸びしろがあると思っています。印刷会社様のビジネス拡大に寄与できるという自信を持って開発していますし、それをサンプルを通じてお届けするのが私の使命と思っています。ぜひ印刷会社様と一緒に更なる可能性を見つけていって、各社様のビジネス拡大や、印刷業界の活性化に繋げていきたいですね。少し壮大な話になってしまい恐縮です(笑)
編集部:
熱い想いをありがとうございます!最後にサンプルブックの配布について教えてください
大西:
はい、今回Print Compass(レインボーギフトWeb)から、こちらのサンプルブックをお申込みいただけるようにしました。
実際にショールームや展示会にご来場いただいた印刷会社様からもご好評いただいており、「デザイナーや営業チームでどんな使い方が出来るか打ち合わせしてみたい」・「商談時に持って行って差別化に使いたい」といったお声をいただいておりますので、ぜひこの機会に手に取ってみてください。
サンプルブックを見たみなさまからのお声を元にまたさらにブラッシュアップしていければと思いますので、ドシドシお声を頂戴できればうれしいです。