売上アップを目指す
2020/01/17
脱・御用聞き営業!企業が本当にほしいDM印刷の提案とは?
Web広告など紙以外のメディアが多様化する中でも、有効なマーケティング手段として根強く支持されているDM。「DM印刷は任せて!」という印刷会社も多いですが、クライアントから依頼に応じて、ただハガキや封筒、封入チラシなどを刷るだけで満足していませんか?
DMができることは、商品やサービスの情報をユーザーに届けることだけではありません。デジタルとの連動やコンテンツ施策などの工夫次第で、単なる販促物ではなく、効果的な集客、そして顧客ニーズ調査にもつながるツールとなるのです。せっかく刷るなら、クライアントのビジネスを成功させる効果の高いDMを作りたいですよね。そんなDMを提案することが、印刷会社の売上拡大や、長期的な信頼獲得にもつながります。そこで今回は、クライアント企業に響くDM提案についてご紹介します。
ノウハウの実践方法をまとめた
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企業がほしいのは、DMそのものではなく「成果」
DMを印刷したいという企業が、本当にほしいものは何でしょうか? あくまでもDMは販促の手段のひとつ。クライアントの本当の目的は、DMを印刷し送付すること自体でははく、自社の売上アップだということを忘れてはいけません。
だからこそ、クライアントに本当に響くのは、ビジネスの成果につながるDM施策。DMそのもののクオリティだけでなく、クライアントの拡販活動の中でDMがどのような位置づけで、どんな役割を果たすのかという視点で提案を行うことが重要です。単に印刷を請け負う会社としてではなく、クライアントのビジネスを支援するという視点に立った商談が、一歩進んだこれからのDM提案のあり方なのです。
顧客に合わせた価値あるDMを印刷していますか?
まずは、現在のクライアントのDM施策を見直してみましょう。ユーザー全員に同じ内容のDMを送付している、他の施策との連携がなくDM単体で企画をしている、という場合は提案のチャンス。
それぞれの顧客に対するコンテンツの打ち出し方を工夫することができれば、同じ部数でも今までにない効果的なDM施策を実現することができるかもしれません。
また企業によっては、アナログなDMという手法自体に懐疑的なことも。効果測定を行わずにルーティーン的にDMを送付し続けているために、効果を実感できずDM自体をやめるべきか懸念しているケースもあるでしょう。
DM施策に前向きではないクライアントが効果を実感できないことには、こんな理由があります。
- ユーザーの興味を引かないDMを送っている
- DMを送るタイミングなど工夫が足りない
- DMの効果測定をする仕組みがない
逆に言えばこの問題を解消すれば、DMはクライアントにとって価値あるツールだと実感できるかもしれません。
このようにDM施策はクライアントにとってもまだまだ改善の余地があるものです。クライアントがまだ知らない手法やその効果を伝えることができれば、クライアントの売上拡大に貢献することができ、自社の価値をこれまで以上にクライアントに感じてもらうことができるでしょう。そうすると印刷会社にとってはクライアントからの信頼を得ることができるだけでなく、DMの企画やデザインにまでサービスの幅を広げることもできるでしょう。
とはいえ、印刷会社のみなさまがすぐに提案を実施できるDM施策とはどのようなものでしょうか?次からはそのヒントとなる、具体的な施策を紹介します。
イベント連携で印象に残るDMを届けよう
DMの工夫が、その販促効果をより向上させるのがイベントです。イベントの告知や集客は、ユーザーにDMを送る目的のひとつ。ただ、DMで初回のイベント参加を促すことができても、その後のフォローにつながる施策はできないと思っていませんか? DMは、デジタルや魅力的なコンテンツとの連携で、その後のリピート客獲得も実現できるツールなのです。
では、具体的な事例とともにその効果を説明します。
事例紹介:カーディーラー向けイベント連動施策
あるカーディーラー様では新規顧客獲得に向けて定期的にイベントを実施し近隣地域からの集客を行っていますが、なかなか1回の来店で契約まで結びつくことは難しく、繰り返し来店いただくことが重要でした。しかし「画一的なDMでは反応がイマイチで再来店に繋がらない」というお悩みを持っていました。
そんな時に活躍するのが下記のようなイベント連動型の1to1DM施策。イベント自体の盛り上げ施策と合わせて提案できる事例となっています。
ステップ1:店舗イベントでファミリー来店
初回DMで、子どもも楽しめる店舗イベントの内容を告知し、ファミリーでの来店を促進。イベント会場では、子どもが描いたイラストが立体的な車となってビジョンに登場し、実際に動いてカーレースに参加できるというゲームを開催。その間に親はゆっくりと商談や試乗を行う。
⇒初回来店が「楽しかった!」という体験として残る。
ステップ2:特別感のあるDMを送る
このイベントで取得できるのは、個人データだけではなく、「子どもが書いた絵」という世界にひとつのコンテンツデータ。そこで、子どもの絵を印刷したバリアブルのDMを送付。ひとりひとり違う内容のDMは大きなインパクトを与え、さらにコンテンツ力による捨てられないDMとして手元に残ることで、再来店率の向上やファン化による成約率向上に寄与。
DMとリアルなイベントを連携して、それぞれのお客様にポジティブな気持ちを思い出してもらうDMを送ることで、顧客ひとりひとりを大切にする企業であるというイメージを作り、再来店客獲得を実現します。「あなただけ」という特別感を感じさせるこの施策は、繰り返しの来店促進に効果的なため、今回ご紹介した自動車をはじめ、不動産、保険など、商談を何回も重ねて契約に至る高額商品の販促に適しています。
QRコードを使って顧客のニーズを知る
DMは、情報の告知や集客だけでなく実は「ユーザーニーズの把握」にも役立つツールです。バリアブル印刷を使えば、DMの効果や、ユーザーひとりひとりの興味関心が把握でき、販促施策に有益なデータを得ることができます。
具体的には、バリアブル印刷でユーザーごとに違うQRコードを印字した1to1DMを作成。読み取り実績からDMの反応を測定します。さらに、QRコードアクセス後のWeb上のユーザーの行動から、顧客のニーズを把握します。そのデータは、売上拡大に直結する次の施策に活用することが可能です。
DMでユーザーニーズの把握も可能ということを知っているクライアントは多くありません。だからこそ、QRコードによるデータ分析は、ニーズを掴めず悩んでいるという顧客に大きく響く提案なのです。
DMの1to1QRコード印刷が行えるのは、FusionProなどのバリアブル印刷ソフトです。このソフトとGoogle Analyticsなどのデータ分析ツールを組み合わせることで、QRコードで取得したデータからユーザーニーズを把握することができます。また、SATORIなどのマーケティングオートメーションツール(以下、MAツール)を活用すれば、1to1QRコードの作成から分析までを一貫して行うことも可能。バリアブル印刷ソフトや、データ分析ツールについて詳しくは、下記をご覧ください。
FusionPro
https://www.ricoh.co.jp/software/output/fusionpro/
Google Analytics
https://marketingplatform.google.com/intl/ja/about/analytics/
では、1to1印刷とQRコードを使ったDM施策の事例をご紹介します。
事例紹介:カーディーラー向け1to1車検DM
先ほどと同様カーディーラー様にご提案させていただいた事例です。先ほどは車の購入に向けたDMでしたが、購入後のお客様に対して車検をオススメするDMもお送りされておりました。
しかしそもそも「お客様が車検に興味があるのか」、「それとも乗り換えを考えているのか」、などを把握できておらず、DMを全員に送り続けるべきなのかお悩みという状況でした。
ステップ1: 初回DMを送付
車検の時期が迫っていることを伝えるDMをユーザーに送付。DMには、ユーザーIDと紐づく個別のQRコードを印字。「車検の見積もりはこちら」という案内で、ユーザー個別のQRコードへのアクセスを促す。
ステップ2: 遷移先に2パターンの情報を用意
QRコードのアクセス先に、車検の詳細を確認できるページと、新車案内ページを用意。ユーザーがどちらをより多く見ているかを計測する。さらに新車案内ページの中でもユーザーがどの車種の情報をよく見ているかなど、より細分化した分析も可能。
ステップ3: ユーザーのニーズに応じたDMを制作
QRコードアクセス後のWeb上のユーザーの行動を分析し、顧客のニーズに応じたDMを制作する。車検見積もりを再び促すDMと、新車買い替えを勧めるDMの2種類を用意。ユーザーの興味ある車種ごとに、写真を差し替えた新車販促DMの印刷も可能。
ステップ4: ユーザーに発送
車検情報に興味を持ったユーザーには、車検見積もりを促すDMを送付。新車に興味を持ったユーザーには、新車への買い替えを勧める内容のDMを送付する。
ユーザーの興味や、検討のステータスに応じたタイミングとDMの内容でアプローチすることが、売上に直結。DMの的確な効果測定や顧客データの取得が、売上拡大を狙う次の施策をより充実させることにもつながるのです。
まとめ
効果的なDM施策の提案は、クライアントからのDM印刷案件の確保だけでなく、新たな価値創造による受注金額増加、そしてクライアントからの信頼獲得にもつながります。
例えば今回事例に出た車検DMであれば最初に相談を受けた際に、「何部にしますか?DMの紙の種類はどうしますか?圧着式にしますか?折り加工はどうしますか?」など印刷に関する提案だけではなく、「そのDMを活かして、その先どのような営業戦略を立てていくのか?」まで提案できることで、クライアントにとっての真のパートナーになれると言えるのではないでしょうか?
もちろん印刷会社にとっては、短期的な売上アップに加えて、各クライアントの長期的な受注規模拡大という大きなメリットも期待できます。
効果の高いDM施策の提案をきっかけに、クライアントの売上拡大を支える大切なパートナーとして認められる印刷会社になりましょう!