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<実践&検証!>リコーのDM施策、成功と失敗の分かれ目とは?

<実践&検証!>リコーのDM施策、成功と失敗の分かれ目とは?

電通が毎年発表している「2021年 日本の広告費」によれば、新型コロナウィルス感染症の影響が緩和したことで、広告市場は大きく回復。そんな中で、印刷会社の皆様にはおなじみのダイレクトメール(以下DM)も前年比104.7%と増加しました。

リモートワークの普及とリアルでの対面営業が難しくなったことを受け、営業活動の補助ツールとしてDMを積極活用するケースが増加したこと、インターネット広告だけではカバーすることが難しいターゲット向けのDMが増加したことが、DM市場拡大の要因とみられています。実際にDMの仕事が増加した、という印刷会社様もいらっしゃるのではないでしょうか。
※出典:https://www.dentsu.co.jp/news/release/2022/0224-010496.html

紙の需要が全体としては縮小していく中で、伸びている市場であるDM。一方でDMは非常に販促効果・費用対効果を求められるツールでもあります。だからこそ、今後印刷会社様に求められていくのは「効果的なDMの提案が出来ること」ではないでしょうか?

今回のコラムでは、コロナ禍でまさにDMの活用を推進しているリコージャパンが実施した9つのDM施策をもとに、具体的な失敗事例や成功事例、その失敗と成功の要因、そしてDM施策を成功に導くポイントを解説します。

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目次

1. リコーがDM施策をやる理由と目的

リコージャパンが2021年度、DMを多く活用したのには2つの理由があります。一つ目はコロナ禍で、お客様へ直接訪問する営業活動が難しかったこと。2つ目はWeb広告やメルマガなどデジタル施策を実施してみたものの、世の中でメルマガの配信本数やWeb広告の出稿数がどんどん増えていく中で、閲覧率やクリック率が低下し、以前よりもデジタル施策を成果に結びつけにくくなったことです。

そこで、直接お客様の手元に届き、閲覧率も高い紙DMを活用してみようということになったのです。

DMの目的は大きく2つ。ウェビナー集客とWebサイトへの誘導です。コロナ禍で直接対面での営業活動やリアルでのセミナー開催ができなくなった分、オンラインでのウェビナー開催も含め、デジタルマーケティングの推進が進みました。デジタルマーケティングでは、顧客のカスタマージャーニーに合わせて、商品やサービスの認知~興味関心を高め、課題認識~本格検討へとステップが進んでいきます。その際キーイベントとなるWebサイトへの誘導やウェビナー集客をあえてアナログの紙DMでやってみたのです。

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2. 施策結果を大公開!

さて、結果はどうだったのでしょうか?
その前に、DM施策は何をもって成功と言えるのか、成功の定義についてお伝えします。
DMには反応率という指標があります。反応率とはDMを送付した人のうち、「資料を請求した」「問い合わせをした」といった何らかの反応(レスポンス)をした人の割合のことです。

DMの反応率(%)= レスポンスの件数 ÷ DMの発送数 × 100

新規顧客をターゲットにしたダイレクトメール(DM)の反応率はおよそ1.0%で成功と言われています。また、DMを送る相手によっても反応率は大きく変わってきます。ターゲット別の反応率の目安は次の通りです。

  • 新規顧客の場合0.5~1%程度
  • 見込み顧客の場合1~10%程度
  • 既存顧客の場合5~15%以上

【出典】日本政策金融公庫「経営Q&A 売り上げアップにつながるチラシ・DM作成術

上の定義で行くと、リコージャパンの2021年度のDM施策のうち、大成功が5件ありました。

2021年度DM
施策結果 成功

逆に大失敗は2件。

2021年度DM
施策結果 失敗

最も反応の良かったDMは13.9%、最も反応の悪かったDMは0.3%、ということで、実に46倍もの差が生まれています。この違いは一体何が起因しているのでしょう。次の章では、大成功と大失敗の事例を具体的に検証してみたいと思います。

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3. 成功と失敗の狭間に何がある?成功例と失敗例を詳しく解説!

リコージャパンでは、2021年度に「新規ビジネスを提案するオンラインイベント」を複数回開催し、DMでの周知活動を行ってきました。どのDMも目的はオンラインイベントへの参加申込の促進でしたが、その中でも反応の良かったDMと悪かったDMがありました。片や反応率11.1%、片や反応率0.3%。DMのサイズや仕様はA4両面と同じ。2つのDMは何が違ったのでしょうか!?

答えはターゲットです。

大失敗したDMは、営業から提出された印刷会社様のリスト宛てにそのまま送付したのに対し、大成功したDMは過去のオンラインイベントのアンケートで「リコーのガーメントプリンターに興味あり」と回答した人に送りました。2つのDM施策の違いは、ターゲットの絞り込みをしたかしないか、たったこれだけです。いかにDM施策において、ターゲットが重要であるかを顕著に表している事例だと思います。

後はタイミングもポイントかもしれません。
しかも、この2つの施策。実は成功の方が先なんです。なぜそれが後の施策に生かされてなかったか?答えは簡単!結果を分析検証して次の施策に生かせてなかったからです。
この2つの事例から、私たちが学んだことは、まずターゲットを絞る、そしてPDCAを回すことです。

もう一つの成功事例として、「1to1動画が見られるバリアブル手帳DM」があります。

写真:1to1動画が見られるバリアブル手帳DM

こちらは経営層のスケジュール帳をイメージし、「離席中にリコージャパンの担当営業からセミナー紹介の連絡があり、秘書から付箋で伝言があった。付箋を見た経営層がスケジュール帳を開いて予定を書き込む」というストーリーラインに沿ったビジュアルデザインにしました。
表紙と中面にリコージャパンの担当営業の名前と顔写真を入れて、親近感を創出。QRコードを配置して、セミナーで紹介予定のパーソナライズ動画を閲覧できるようにし、セミナーへの参加を誘導するとともに、参加前に製品をイメージしていただくという体験をお客様にお届けしました。

この事例の成功要因は、大きく2つ。一つ目はターゲットの絞り込み。過去の関連セミナー参加者やWebサイトでバリアブル印刷関連のコンテンツを閲覧したお客様を抽出してDMを送ったこと。つまり、データやMAツールを使って、顧客の興味関心でターゲットを絞れたことです。2つ目は、DMを受け取ったお客様の関心・興味を引くクリエイティブや仕掛けにこだわったこと。やはりDMの成功と失敗には、それぞれちゃんとした理由がありました。

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4. 検証結果から見えた、成功するDMのコツとは

DMは「ターゲット」「オファー」「タイミング」「クリエイティブ」の4大要素で成り立っています。4つの要素における重要度について、従来はターゲット:オファー:タイミング:クリエイティブ=40%:30%:10%:20%と言われていましたが、その後ターゲット:オファー:タイミング:クリエイティブ=50%:20%:20%:10%(5:2:2:1の法則)に重要度が変わってきました。

DMの4大要素と重要度の変化

特にMAツールとの連携で、カートに入れたものの購入しなかったお客様宛に、24時間以内にその商品をお勧めするDMを送ったディノスセシールの事例は、4大要素の中でもタイミングを重視した画期的な事例でした。

しかし、ここ2年程はコロナ禍の影響で、この重要度の割合も見直されているかもしれません。というのも、特にBtoBビジネスにおいて、直接訪問できない営業に代わってDMが活用されるケースが増えてきたからです。第36回DM全日本DM大賞でも、挨拶状から始まり、商品やサービスの説明リーフレット、営業メンバーの紹介、サービスの導入効果や実際のサンプルなどをセットにし、きめ細かに営業マンが説明するかのごとき「プレミアムDM」と呼ばれるDMが多く見受けられました。

クリエイティブに凝るとコストは確かにかかりますが、営業の方の工数やDMをフックにして得られる売り上げの大きさを考えると、BtoBビジネスにおけるプレミアムDMは、DMの役割や価値を大きく変えるトレンドと言えるかもしれません。

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5. まとめ

一番大事なのはターゲティング。ターゲットを絞り込んで、効果的なDMを送るのが成功の秘訣という話をしてきました。より効果の出やすい送付先に絞り込んで通数を少なくした分、一通当たりのDMにかけられる予算を増やしても費用対効果が出る、ということです。

バラマキ型のDMではなく、特別なお客様へ特別なDMを送る。そんな提案を「紙のプロフェッショナル」である印刷会社様が行うことは、現在のニーズに大きくマッチしそうです。

<特別なDM>という意味では、リコーのPOD機ならではの特色トナーを活用すれば、より提案の幅が広がるかもしれません。蒸着紙+ホワイトトナーによる目を引くメタリック感、ゴールドで箔押しのような特別感、ブラックライトで光るギミック仕様など、さらに効果的なDMが提案可能です。

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