POD機は本当に印刷会社の生産機になるのか?「連続10,000枚印刷」に挑戦!

POD機は本当に印刷会社の生産機になるのか?「連続10,000枚印刷」に挑戦!

印刷ビジネスにおいては、昨今様々な印刷メディアにおいて小ロット多品種化が進んでおり、コロナ禍を経てさらに加速しているという声がよく聞かれます。

多くの印刷会社において、すでにPOD機(オンデマンドプリンター)やインクジェットプリンターなどのデジタル印刷機器の導入は進んでおり、小ロット多品種印刷への対応を行い始めているかと思います。オフセット機とデジタル機の併用による「O with D」をいかに効果的・効率的に進めていくかは、いま印刷会社にとって取り組まなければならない喫緊の課題の1つではないでしょうか。

そんな中で、こんな考えを持たれている方もいらっしゃるかもしれません。

  • POD機はあくまでオフセット機の補完に使うもの
  • 生産機として実稼働に耐えうるのか不安がある
  • 極小ロットの対応でしか使えないと思っている

今回は、そんな疑問や不安の声にお応えするべく、Print Compass編集部がPOD機の生産性について実際に印刷を行って検証してみました。

10,000枚・20,000ページの印刷、というリコーの最高スペックのPOD機の理論値でも5時間弱はかかるという、Print Compass編集部史上、最も過酷なPOD機活用の実証実験。どんな結果になったのか、ぜひご覧ください。

ノウハウの実践方法をまとめた
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目次

①実験準備

POD機は生産機として使えるのか、を調べるために、今回Print Compass編集部がチャレンジしたのは

POD機で実際に10,000枚(20,000ページ)の用紙に印刷を行ってみる

というミッションです。

今回用意したもの

POD機:RICOH Pro C9500(アップグレードライセンス適用機)
用紙銘柄:OK特アートポスト 160kg(菊四裁)
印刷データ:4C+4Cポストカード(4面付)

RICOH Pro C9500 は、リコーのPOD機のフラッグシップモデル。「匠の技をカンタンに」をコンセプトに、生産機として活用できるPOD機で最高クラスの品質・安定性をお届けするマシンとなっています。

写真:RICOH Pro C9500

リコーのフラッグシップモデル RICOH Pro C9500

今回は、RICOH Pro C9500を使って、菊四裁のOK特アートポスト160kg・10,000枚に、ポストカードを表裏で面付して印刷してみたいと思います。両面印刷なので、ページ数としては20,000ページになります。菊四裁の用紙にポストカードサイズのデータを4面付して両面で印刷する、というのは、実際のビジネスでもよくお見掛けする状況ではないでしょうか?

写真:OK特アートポスト160kg

OK特アートポスト160kgにポストカードを印刷していきます

そんなリアルな状況において、

  • 印刷中に何度も調整で止まる…動いているときは速いのに…
  • 色がバラついていて、なかなか本生産に入れない…
  • やっと生産に入っても、印刷中に色がぶれる…
  • 印刷前にしっかり合わせても 印刷中に見当がずれてしまう…

など、印刷会社さまからよく聞くこんな課題にPOD機は対応できるのか。
展示会などで1枚のサンプルを見ただけでは分からない情報を、今回の実験で皆様にお届けしたいと思います。

②10,000枚印刷スタート!

印刷準備も整い、早速10,000枚の印刷を開始します!

写真:オペレーターコールライトが青に点灯

早速出力を開始、オペレーターコールライトが青に点灯します

Print Compass編集部メンバーも、実際に自分で10,000枚の出力を行う、というのは初めての試みです。それに加えて冒頭にも記載した通り、アップグレードライセンスを適用したRICOH Pro C9500でさえ、理論上の最高速でノンストップ稼働しても5時間弱はかかる、ということで、メンバーも期待と不安の混じった、やや緊張気味の面持ちです。

ちなみに、昨年に発売された最新機種からは、マシンから離れたところにあるPCやタブレットからでも、Webブラウザ上で本体のオペレーションパネル同等のUIで快適に操作が出来るようになりました。

遠隔で用紙の設定や調整などの準備やマシンの状況確認が出来るので、印刷現場とは違う場所で他の作業を行っていてもスムーズに印刷が進んでいるか確認が可能です。今回編集部でも、離れた場所で加工を行ったり、お昼ご飯を食べに行ったり、と機械の前から不在になることもありましたが、この機能のおかげでちょこちょこ確認に戻ったり、という心配をすることなく、効率的な印刷が可能に。「ちょっと面倒だな」という痒いところに手が届く機能と実感です。

写真:オペパネ画面

動かすPOD機の目の前にいなくてもオペパネ画面が把握できるのは便利

なお、今回の印刷作業に関しては、実際に印刷会社様でのオペレーションと同様の環境を想定するため、基本的に1名の作業員で全ての作業を行っております。

写真:スタッカー2台連結

スタッカー2台連結なので、排紙で機械が止まることもありません

さぁ、早速印刷されたポストカードが排紙トレイに出てきました。今回は10000枚という大量枚数を印刷することもあり、台車がセットされている「スタッカートレイ」に排紙していきます。

スタッカートレイを2台連結することで、片方のスタッカーが一杯になると自動的に次のスタッカーに排紙されるという設定が可能です。これにより、大量枚数の印刷においても排紙状況で印刷を止めることない運用が出来るようになっています。

もちろん給紙についても同様です。今回は一度に約1,250枚のOK特アートポスト160kgをトレイにセットしていますが、複数のトレイに同じ用紙をセットし、片方が用紙切れになったらもう1つのトレイから出力することが可能です。こちらも、印刷中のトレイ以外は給紙トレイを開けて紙をセットすることが出来るので、印刷をストップする心配はありません。

写真:用紙補充

用紙補充の際にも印刷が止まることはありません

開始から1時間弱で、早速用紙補充を実施します。1,250枚の用紙を下段のトレイ4にセットしていきますが、こうして用紙交換している間もマシンは止まることなく、トレイ3から給紙を行い続々と出力していきます。

③スタッカー2台でストレスフリーの排紙対応

開始から1時間半程度が経過し、ここまで非常に順調に印刷が進んでいます。ここで排紙トレイのスタッカーが片方満杯になったので、早速取り出していきます。

写真:スタッカーが満杯になるともう片方のスタッカーへ排出される

マシンを止めることなくスタッカーを取り出し、順調です

前述した通り、スタッカーが満杯になった時点で次のスタッカーに排紙が移動しているため、満杯のスタッカーはマシンを止めずに取り出しが可能です。

取り出した印刷物はそのまま断裁などの後加工に回すことも可能なので、効率的な運用を検討いただけそうです。

写真:開始から2時間半程度で半分の5000部に到達

開始から2時間半程度で半分の5000部に到達!

印刷開始から約2時間30分、半分の5000部まで印刷が進んできました。切り替わった方のスタッカーにも続々とポストカードが排紙されていきます。このあと、3時間強が経ったタイミングで2つ目のスタッカーも満杯となり交換を実施しました。

用紙交換についても既に5回ほど行いましたが、紙の重みでやや作業員の腕が疲れてきた、という以外は特に問題も起きておりません。

ここまで紙詰まりトラブルもないし、このままいけば5時間程度で印刷が完了しそうだな、と思ったのも束の間。ここでトナー交換のアラートが発生。編集部に緊張が走ります。

④トナー交換もノンストップ、印刷は最終局面へ

さすがにトナー交換はマシンが止まってしまうか、とマシンに向かった作業員。ところが、POD機は引き続きどんどん印刷を進めています。

写真:トナー交換

ツイントナーシステムだから、トナー交換もノンストップ

マシンが動きを止めずに印刷し続けている秘密は、リコーのPOD機の中でもフラッグシップモデルのRICOH Pro C9500だけに搭載されている「ツイントナーボトルシステム」

CMYK各色のトナーが2本ずつ装填できるこの仕組みによって、片方のトナーが切れた場合もう一方のトナーで印刷が始まり、かつ空になったトナーはマシンを稼働しながら交換が可能なので、印刷を止めずにトナー交換が可能となっています。

写真:7,500枚に到達

開始から約4時間で7,500枚に到達し、終わりが見えてきました

開始から4時間超、スタッカーもまたかなりの量がたまってきて、用紙交換も6回目を終えました。ここまでノンストップで印刷を続けているPOD機、ついに印刷枚数は7,500枚を超え、終わりが見えてきました。編集部一同、頑張る子供を応援する親のような気持ちで、RICOH Pro C9500のラストスパートを見守ります。

そして開始から5時間7分、ついに10,000枚印刷を完走です!!

写真:5時間7分で10,000枚印刷終了

開始から約5時間、ついに印刷完了!

⑤印刷結果を確認

無事5時間ノンストップで、10,000枚の印刷を完了することが出来ました。

画像:5時間7分で10,000枚・20,000ページを印刷

65.1ppmのスピードで用紙詰まりゼロで完走

5時間7分で10,000枚・20,000ページを印刷したということで、65.1ページ/分の稼働効率となり、カタログ上の理論値である68ページ/分とほぼ遜色ないスピードで印刷することが出来ました。トナー交換、スタッカー取り出しなどでマシンが止まることもなく、紙詰まりも発生しませんでした。

生産力・安定稼働という観点で、生産機として活用できるイメージを持っていただけたのではないでしょうか?

ただもちろん印刷物は、ただ刷れればいいというものではありません。冒頭にもお伝えした通り、10,000枚の印刷で見当精度に問題がないか、についてもチェックしていきましょう。

写真:表裏見当をチェック

断裁して表裏見当をチェック

断裁後、トンボのズレをチェックしてみましたが、上の写真でご確認いただける通り、ほとんどズレは発生しておりませんでした。見当精度についても、生産機としてお任せいただける品質になっているのではないでしょうか?

ただ、もちろん写真だけでは細かな見当精度や、色味などは確認が難しいかと思います。

そこで今回Print Compass編集部では、皆様に見当精度や色味などの品質をその目でご確認いただけるよう、実際に今回の10,000枚印刷で印刷したポストカードをサンプルとして皆様にお配りいたします!

⑥10,000枚印刷サンプル&動画はこちらから

画像:10,000枚印刷サンプルチラシ

サンプルを無料でお届け!さらに動画でもご確認いただけます

今回の10,000枚印刷の実サンプルを、下記ページから無料でご請求いただけます!

今回印刷した10,000枚には00001~10000の連番を振っており、その中から1000枚ごとに1枚ずつ抜き出して10枚にしたセットを無料お届けします。1枚目と10000枚目で色味や見当精度がどうなのか?ページ内の色ムラに変化はあるのか?など、ぜひその目でご確認ください。

▶︎無料サンプルはこちらから

また、サンプルには、今回の10000枚印刷を撮影した内容をまとめたダイジェスト動画(約10分)のリンクも同梱でお届けします!ぜひあわせてチェックください。

サンプルをご覧いただき、実際にRICOH Pro C9500を生産機として検討できそう!と感じていただけましたら、Print Compass編集部一同、非常にうれしく思います。

各地のショールームにて、実機デモや様々なサンプルをご覧いただくことができますので、ぜひお気軽にお問い合わせフォームなどからお声がけください。自社のデータで印刷してみたい、いつも使っている紙を通せるか教えてほしい、などのご相談もどしどしお待ちしております!

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