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推し活グッズの印刷市場を攻略せよ

推し活グッズの印刷市場を攻略せよ

今や文化の一つになった「推し活」。
今年のJP2024印刷DX展や九州印刷情報産業展のリコーブースでも「推し活」コーナーは大変な人気で、連日多くの人で賑わっていました。

写真:「推し活」コーナー

今回のコラムでは推し活市場における印刷ビジネスの可能性について、探っていきたいと思います。

ノウハウの実践方法をまとめた
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目次

1. 推し活とは何か

「推し活」とは、特定のアイドルや芸能人、キャラクターなどの「推し」を応援するために行われる一連の活動を指す言葉で、近年特に若年層の間で流行している文化の一つです。
「推し」の対象は多岐にわたり、自分のイチオシを応援する、また自分以外の人に推しの良さを伝えたい!とPRするものすべてが対象となります。

<代表的な「推し」の対象>

  • 2次元(キャラクター):アニメ、ゲーム、コミック、マスコットなどのキャラクター
  • 3次元(実在の人物):アイドル、芸能人・タレント、歌手、俳優、声優、モデル、スポーツ選手、歴史上の人物、文化人など
  • 人物以外:鉄道、刀剣、仏像、建築物、歴史的な遺跡、動物、観光地、アミューズメントパークなど

「推し」への活動としてはコンサートへの参加、グッズの購入、SNS上での応援メッセージの発信など、様々なアクションを含んでおり、それぞれのファンが自らのスタイルで推しを支える形があります。熱意をもって取り組むファンが多く、彼らの活動は推しに対する情熱を感じさせるものになっているのです。

2. 推し活市場の規模と市場性

ジャストシステム調べ『推し活と消費に関する実態調査』によれば、10代の約4割が「推し活」中であり、20代では26%、30代・40代でも10%前後が推し活をしているとのこと。
参考サイト:ジャストシステム調べ『推し活と消費に関する実態調査』

また、推し活をしている人の約7割が、うちわやペンライト、缶バッジやアクリルスタンドといった推し活グッズの購入経験ありと回答しました。確かに街中を歩いていると、アニメやアイドル・ゲームなどのキャラクター缶バッジを大量に付け、推しへの愛を表現する「痛バッグ」と呼ばれるバッグを持ち歩いている方を見かけることがあります。

写真:痛バッグ

お気に入りの缶バッジを大量につけた「痛バッグ」

イベント会場近くの喫茶店では、うちわにデコレーションしているファンの姿も多く見かけます。
推し活の元は「オタ活」とも言われていますが、株式会社矢野経済研究所が2021年に実施した「オタク」市場に関する調査では、2021年度の市場規模予測は「アイドル」「アニメ」の両分野を合計して4,300億円。すべてのジャンルを合計すると、経済効果は6,840億円になると予測されていました。
推し活ジャンルには、上記調査に含まれていないK-POP、2.5次元(3次元から派生した舞台・演劇)をはじめ様々なジャンルが存在するため、市場規模はさらに大きく、株式会社矢野経済研究所「『オタク』市場に関する調査(2023 年)」によれば、推し活を通じて消費されるグッズやイベント参加などの経済効果は、オタク市場だけでも、2023 年度の予測で約8,000 億円超の市場規模にのぼるとも言われています。

Withコロナの動きのなか、イベント開催が解禁されはじめたのを受け、今後は推し活市場がますます活発化することが予測されます。今や、大きな社会現象の一つになっている推し活、大きなビジネスチャンスの詰まった市場ともいえそうです。

3. 推し活グッズについて

推し活には、ライブや舞台を観に行く/撮影スポット、ゆかりの地などの聖地巡礼をする/推しにプレゼントを贈るといった「推しに逢う」活動をはじめ、推しと同じものを持つ/推しのイメージカラー(推し色)の服やコスメを集めるといった「推しに染まる」、SNSで推しの魅力を語る/推しを他人に布教するといった「推しを広める」活動があります。
そして推しの活動の中でも注目したいのが、推し活グッズを買う/推し活グッズをコレクションするといった「推しに触れる」活動です。
株式会社ジャストシステムが行った『推し活と消費に関する実態調査』によれば、推し活グッズの購入は、イベント・ライブへの参加やSNSでの情報発信・拡散を抜いて、推しの活動の第1位になっています。

グラフ:推し活の内容

出展:株式会社ジャストシステム『推し活と消費に関する実態調査』

ファンは年代によって使える金額は異なるものの、自分が推している「推しのグッズ」収集にかなりの金額をかけています。

グラフ:コラボ商品の平均的な購入単価

出展:株式会社ジャストシステム『推し活と消費に関する実態調査』

平均的な購入金額を見ると3000円以内が過半数を占めていますが、中には10万円以上かけるファンもいて、1万円以上かけているファンは約20%もいることがわかりました。

また、「HAKUHODO HUMANOMICS STUDIO」が発表した「オシノミクス レポート」によれば、若い人ほど推し活にお金をかけており、10 代女性では可処分所得の半分以上を推し活に使っているとのこと。

グラフ:可処分所得における推し活支出の割合

出展:HAKUHODO HUMANOMICS STUDIO「オシノミクスレポート」

今後若者が成長した時のことを考えると、推し活市場はますます成長が見込める市場と言えそうです。

4. 推し活市場における印刷ビジネス ~オンデマンド印刷でできる推し活グッズとは~

推し活市場における印刷ビジネスの機会も拡大傾向にあるといえます。デジタル印刷で推し活市場に切り込んでいくなら、グッズ印刷が狙い目。
ファンは自分の推しを表現するオリジナルグッズを求めています。多様化する推しの存在と、推し活をよりアピールするために、個性的なデザインやメッセージが印刷されたアイテムが絶大な支持を得ているからです。推し活グッズはユーザーの個性を反映したカスタマイズが求められる時代になっているため、一つからでも対応できるオンデマンド印刷のまさに得意分野だといえるでしょう。

では、ファンが購入している具体的な推し活グッズをオンデマンドという視点で見ていきましょう。

<推しの対象別推し活グッズ>

■2次元(ゲーム、アニメ、漫画キャラクター)
2次元を対象とした推しグッズとしては、缶バッジやキャラクターアクセサリーなどの装飾品、マグカップやハンドタオル、文房具などの日用品、アクリルスタンドやぬいぐるみといった愛玩系グッズがあげられます。
キャラクターの推し活グッズは多彩で、3次元のアイドルをしのぐほどです。キャラクターを模したぬいぐるみやアクリルスタンドを部屋に飾るだけでなく連れ歩いたり、コラボカフェや聖地などで一緒に写真に納まって、それをSNSに拡散したりとファンの活動も多岐にわたります。

■3次元(実在の人物)
アイドルやスポーツ選手など実在の人物であれば、写真集、ブロマイド、カレンダー、DVD、アクリルスタンド、缶バッジ、カード、シールといった肖像グッズをはじめ、ロゴやイメージ、背番号を使った雑貨や文房具、ユニフォームやTシャツなどの服飾、実際に応援するためのうちわやペンライトなどのライブグッズがあります。

■人物以外(鉄道、観光地、動物など)
人物以外の推し活グッズも盛んです。ご当地の缶バッジやコースター、シールやスマホケースなど近年はグッズの種類も増えています。

推しの対象は違っても、グッズというくくりで見ると、缶バッジやカード、シール、クリアファイル、うちわ、ペンライトシートなどオンデマンド印刷が可能なグッズはかなりあります。特にオンデマンド印刷では特色のホワイトトナーを使うことで、缶バッジやシール、クリアファイルなど透明の素材でも推しの姿をくっきりと表現することが可能です。
最近では、イベント会場やコラボカフェなどでのタイアップグッズやキャンペーン限定商品など希少価値が高く、ファンがどうしても手に入れたいと思う限定グッズが多く見られます。限定グッズは制作数も少なく、オンデマンド印刷向きの市場ともいえます。

5. ノベルティの有無で売上が爆増!顧客に語れる「推し活グッズの効果実験」をご紹介

ここで、リコージャパンがエンターテインメント業界とのコラボで、推し活市場におけるノベルティ印刷で双方のビジネスを活性化していくことを目指した活動をご紹介します。

実験の目的は、デジタル印刷で制作した商材サンプルのエンタメ業界市場での付加価値を検証すること。多様な業界にコネクションがあるゴウリカマーケティング株式会社様からのお声がけで、業界でも名高い株式会社MAGES.(メージス) 様にご協力頂き、オンデマンド印刷で制作した商材サンプルを実在するアイドルグループのファングッズに展開し、実際のイベント活動で検証実験を行いました。

写真:純情のアフィリア

女性アイドルグループ「純情のアフィリア

テストマーケティングは、女性アイドルグループ「純情のアフィリア」のNEWシングル「ジェネレーション・ギャップ」リリースイベントにて、ペンライトシートとSNS⾵クリアカードを特典としてランダムに封⼊することで、リピート購⼊を促進する仕掛けとしました。

写真:「純情のアフィリア」特典グッズ

「純情のアフィリア」ニューシングルリリースイベントでの特典グッズ

純情のアフィリア、コニカミノルタジャパン&リコージャパン「Digital Print Lab」プロジェクトの詳細はこちらから

さて、結果はというと、

  • 自分の推しが印刷されたノベルティを入手するためにCDを大量購入されたお客様が多く、販売数増につながった。
  • タイアップもないシングルだったにもかかわらず、販売数増は特典の効果(通常の特典会ではここまでの成果は難しかった)ノベルティなしの場合との⽐較で1.6倍に!

今回の特典であるSNS⾵クリアカードを販売しようとした場合、⼀般的な価格は@500〜700円(参考価格:アニメイトなど)と言われています。シート代や印刷費、加工費を入れても十分に採算が取れることも実証できました。
以上、実証実験の結果から、オンデマンド印刷で制作した商材が「推し活グッズ」として、十分にファンに認められうる商材であること、そして、その商材をキーにしてCDのリピート購入が促進されるなど、推しの活動を後押ししてくれるマーケティング効果があることもわかりました。
さらに今回の実験結果は、今後オンデマンド印刷で推し活グッズを制作提案する際の効果を語れるエビデンスとして活用できると思います。

6. まとめ

今回、様々な角度から「推し」に迫ってきましたが、「推し活」とは昔のアイドルの様にみんなが応援するから応援するのではなく、あくまでも自分が好きな「推し」を応援し、応援することで自分の生活が豊かになる、そんな活動なのだと思いました。
そういった「自身で決めた推し」だからこそ、グッズが欲しいという要望や熱量も強く、そこに今回ご紹介したSNS風クリアカードのような、印刷ビジネスの機会があるのではないでしょうか。
さまざまなメディアに露出するアイドルやキャラクターだけではなく、今回上げた推しの対象は様々です。自分だけの「推し」を応援する人が増えていく限り、「推し」の対象はますます細分化されていくでしょう。そして、地域密着型のものや、知名度があまり高くないものでもグッズ需要は存在し、それに応えることができるのは小ロット印刷の対応ができるオンデマンド印刷ならではではないでしょうか。
ますます伸び続ける推し活市場とそれに伴って増えていく推し活グッズ市場。
オンデマンド印刷機を活用して、推し活グッズ市場に切り込んでみてはいかがでしょうか。

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